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脳の話2
脳の話1では脳内ホルモン・ドーパミンと分裂病の関連について話をした。では脳は外部からの信号をどう処理しているのだろうか。例えば目からの信号、即ち視覚情報は網膜に並んでいる視細胞が光を電気信号に変換し脳に送る。デジタルカメラの受光素子に似ているが、Wikにはその数1億個程度あると書いてある。膨大な信号となるので脳に信号を送る前に目だけで有る程度処理をしている。だまし絵やトリックアートのような錯覚は脳の処理の結果ではなく、目での信号処理によるものである。いずれにしても視覚情報はパラレル情報である。パラレル情報なので脳全体に粗同一時刻にパターン情報として拡散し、記憶されたパターン情報と照合されて認識(意味有る情報)されると考えられる。
 
人の長期記憶は海馬と呼ばれる小指大の器官である。器官といっても整然と並んだ神経細胞の集まりである。そう言うとコンピュータの記憶素子を思い浮かべるかも知れないが大きな違いがある。コンピュータの記憶素子は一部が欠損すると、そこに記録されている情報だけが無くなるが、人間の脳で一部が欠損した場合は全体的にぼやけた記憶になるだけで、特定の情報だけが無くなる訳では無い。そこが脳の記憶とホログラムが似ているといわれる所以である。と言っても特定の人間の顔を見せると特定の箇所の神経細胞が興奮するようなので、ある箇所が欠損すると特定した情報も消えるかもしれない。
 
では耳からの信号はどうであろうか。人は耳から音声を聞き分け、文字を思い浮かべ、文字の並びから単語、そして文として理解する。しかしそれらは元は只の音の羅列のシーケンシャル情報である。ではそれについて神経細胞から考察してみよう。

          拡大図
 
図1は簡略化した1神経細胞である。この図の神経細胞では左側が入力で右側が出力になる。1神経細胞内で処理した信号は電気信号となり、軸索を通って枝分かれした複数の軸索端末に行き渡る。軸索にあるダンゴのような物は髄鞘細胞がテープ状に巻きついた物で、材質はコレステロールからなり、コレステロールは優れた絶縁物なので軸索の絶縁被服になっている。従って軸索は絶縁被服つきの電線といってよいだろう。
 
軸索端末は触手よろしく他の神経細胞の樹状突起部に接触する。接触した箇所はシナプスと呼ばれ、此処が分裂病で説明したドーパミン等の脳内ホルモンの働く所である。従って神経細胞ではシナプスで電気信号をドーパミン等により化学的な変換を行い、さらに内部処理をして電気信号変換して出力していることになる。出力は1本の電線即ち軸索だが、シナプスの数は1つの神経細胞で数万以上有るので軸索端末の数もそれだけある。またシナプスでの処理方も千以上あるので、1つの神経細胞だけでコンピュータと言えるだろう。現在の処、神経細胞がどのような処理をしているのか殆ど解明されていないと思われるが敢えて挑戦してみよう。
 
そこで図1の神経細胞図を電気回路に置き換えると多分図2のようになるだろう。図2の樹状突起部シナプスにある△は入力部のアンプで、隣の細胞体は何らかの変換しているが何を変換しているか不明な箇所である。信号は図1と同様、左から右へである。そして図2を更に簡略したのが図3の簡易神経細胞の模式図である。不明であった細胞体の処理は、図3では只の加算処理とした。Tと書いてあるのは時間遅れである。実際の細胞でも電気→化学→電気の変換を行っているので時間遅は当然ある。但し図3の模式図では全ての細胞の時間遅れTは一定の値とした。
 
それでは図3の簡易神経細胞4つが図4簡易神経細胞直列接続のような接続回路した場合はどうなるのであろうか。×1と書いてあるのはアンプの増幅度が1倍、1/4と書いてあるのは0.25倍を意味する。簡易神経細胞直列接続としているが完全に直列では無い。最後の神経細胞は直列に接続した神経細胞毎の信号の総和演算を行っているのである。
 
では図4は一体どのような信号処理になるのかと言えば、実はこれは4の移動平均処理の回路なのである。移動平均処理と言えば、凸凹データを平滑にするので、ローパスフィルタである。これが百、千、・・となればかなりのローパスフィルタになる筈である。従って神経細胞がこのような接続されている箇所が有れば、ローパスフィルタ処理を行っていることを想像できるだろう。
 
では図5簡易神経細胞フィードバック接続有りのような接続されている場合はどうであろか。図にあるA1、A2、B1、B2、a0、a1、a2、b1、b2はそれぞれのアンプの増幅度である。これは2次の伝達関数ならどのようなフィルタ特性でも作れるフィルタ回路である。ローパス/ハイパス/バンドカット・フィルタ等、特性はA1、A2、・・、b2の増幅度の値の如何による。さらに図5の回路を直列に段重ね接続をすれば、もっと急峻な特性のフィルタになるのである。この図5の回路が図4の回路と違うのは、図5の回路は自分が作り出した信号を又入力している所が有る事である。場所は図5のフィードバック信号と書かれた箇所である。
 
ところでこのフィードバックが癖者である。フィードバックはエンドレス・ループなのである。フィードバックが問題となる簡単な例は、スピーカにマイクを近づけるとピーとなるハウリングと言う現象である。フィードバックは自動制御で必ず使われているが、設計を間違えるとハウリングのように特定な周波数で共振し、その振幅が次第に大きくなり機器を破損する場合もあるのが知られている。
 
一般的に図4のようなフィードバック回路が無いフィルタはFIRフィルタと呼ばれている。このFIRフィルタは幾ら何千段何万段重ねても信号は何れ収束する。それに対して図5のようなフィードバック回路を持つのフィルタはIIRフィルタと呼ばれ、幾つかの共振点を持ち、各々アンプの増幅度の如何によっては発振し、収束しない場合が往々にしてある。IIRフィルタは系が不安定なのだ。
 
実際の神経細胞の回路でアンプに相当する箇所と言えば、まず考えられるのがシンプスである。ここではドーパミン等の情報伝達物質であるホルモンが活躍する所である。ドーパミンは神経細胞の入力アンプの役割を果たすのだ。そうするとドーパミン過多が分裂病を誘発するのかが、神経細胞回路網のフィードバック接続で説明できるので無いだろうか。またドーパミンが少なすぎる場合は精神障害にならないのも説明できるだろう。
 
そして大脳だけで神経細胞の数は数100億、1神経細胞あたりのシナプスの数は数万。それがエンドレス・ループで繋がっているのである。分裂病患者だけではなく、正常人と思われている人でも、何時何時とんでも無い思考が現れてくるか分らないのが脳である。
 
話を元に戻すと耳からの信号を受けるのが1つ神経細胞でも、それを複数の神経細胞の回路網に振り分けることで、色々のフィルタを通した信号が同時並列的に脳に現れることが分るだろう。聴覚信号も視覚信号と同じような処理が出来るのだ。そのフィルタ処理が出来るのは、神経細胞間に信号伝達時間に遅れTが有るからである。実は時間遅れTとは微小積分である。それにより直列接続やフィードバック接続されることによりあらゆるフィルタが出来ることは前に述べた。
 
しかしながら、脳科学で神経細胞回路網と時間遅れTとフィルタに言及している研究資料は見たことが無い。それは既にボツになった研究なのかも知れないが、若しそうでなければこのブログ記事が本邦発公開になるだろう。と言っても、確かに図3以降で説明に使った簡易神経細胞の機能と本物の神経細胞の機能は大きく違う。説明に使った簡易神経細胞は入力信号も出力信号も連続的な値を取るアナログ的回路であるが、本物の神経細胞は出力信号は発パルス列であり、信号は細胞内でなんらかの条件で出力される発火と呼ばれる現象なので、1か0のデジタル的回路に近いかも知れない。
 
おさらい。
・耳からの信号も並列処理が出来るようになる。
・神経細胞間の信号伝達時間の遅れによりフイルタ回路が形成される。
・脳に入った情報はフィードバックされエンドレスループで回る。
・フィードバック接続された回路は不安定で信号が収束しない場合がある。
・その情報が収束するかしないかは、脳内ホルモンが関与している。
 
次は記憶とパターン認識を書こうと思っているが、これについてはまったく自信がない。
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【2017/07/02 19:51 】 | 脳科学 | 有り難いご意見(0)
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