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日本の絵画は、中国大陸渡来の技法から描かれるものと、自然発生的に生まれた筆を使った線画とが融合したものと思われる。線画は鳥獣戯画や源氏物語絵巻に代表されるような絵で、大和絵と呼ばれる。大和絵に中国絵画の技法を加えたものが日本画に発展していく。
左の絵は、13世紀に描かれた平治物語絵巻の一巻、三条殿夜討巻の一部である。一部しかお見せ出来ないのは残念であるが、牛車が暴走し車輪が回転する様はどうであろうか、描かれている人物の表情、人馬の躍動感、ダイナミックな臨場感、まるで現代コミックやアニメの一画面のようである。否、人物の表情などは形式化された現代アニメより豊かである。
筆を使用した絵なので、当然中国にも同様な絵があるかも知れない。又山水等の描き方も中国絵画の影響が見られる。それでも発想の自由さは、この絵や鳥獣戯画同様、日本独自と思われる、そして日本のアニメや漫画の原点は、この時代に有ったのでは無いかと思ってしまう程である。
例えば、同じ平治物語絵巻の六波羅行幸巻には、天皇に逃げられた源信頼が慌てふためき天皇を探す様を、同じ画面に別時間を置いた二人の源信頼として描かれている。まさしく漫画である。
前回の日本人のデザイン力の中で『こだわり、気配り、美意識』が日本のデザインの特徴と書いたが、もう一つ『自由』を加えたい。
人気の高い三条殿夜討巻は、残念ながら日本に無くボストン美術館に所蔵されている。それでもアメリカで大事にされ、これによりアメリカ人が日本を知ることになれば良いのかも知れない。只、今は無き日本民族の遺物にだけはしてして欲しく無い。
中央の絵は、江戸寛永期に書かれた彦根屏風図である。江戸時代と言っても此処に描かれた風俗は安土桃山時代と共通する自由さがある。
屏風としては一畳六扇であるが、人物や物の配置が妙であり音楽的と言って良い。まず右から一扇に大人1+子供1、大人2、子供1、大人3と背景山水屏風絵、最後が大人2+子供1+背景の屏風となっている。自然な配置であるが、当然意識して計算尽くされた配置と思われる。
この絵は狩野派の誰かが書いたものとされ、背景の山水画も上手であり手を抜いていない。こだわり、気配り、美意識が如何なく発揮された絵である。そして絵から感じるこの時代の自由さは現代日本を越えている。
狩野派の永徳や探幽に代表される豪放で自由な絵は、この絵の時代を境にしだいにマンネリ化して行く。それは顧客であった武家社会が儒教に縛られ、精神の自由さを失ったのと関係している。
それに反して庶民は、江戸時代に入っても安土桃山時代の自由さを失わなかった。
『自由は日本人の生命である』と17世紀来日したスェーデン人C.P.ツュンベリーは言う。世界を自由に旅する人間が、士農工商の身分差別があり鎖国までしている封建時代の国の民を、そう評するのである。当然行動の自由では無い。法の秩序の中の自由である。それは精神の自由である。
最後の絵は言わずと知れた、葛飾北斎の絵である。明るさ、大胆な構図、何よりも感じる自由さ。印象派の人々が影響されたのも無理は無い。版画の為本物は小さいが、50号程に引き伸ばした写真を見ても違和感は無い。むしろ、より迫力がありダイナミックである。100号に引き伸ばして同じであろう。
現代の日本は、昔の日本よりもっと自由の筈である。だが日展やその他の絵画展の絵を見ても、過去の封建時代の頃の日本より自由さを感じないのは私だけであろうか。
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