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崗上虜囚の備忘録

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書評:反日種族主義

現在韓国では反日が隆盛を極めているが、『反日種族主義』李栄薫編集(日本語訳、文芸春秋出版)は、李承晩学堂(校長李栄薫)の5人の学者(主に経済学)と1人のジャナーリストが、その反日の根源を追求し、その記録と考察をした本である。彼らは土地台帳等の公的資料および経済データを丹念に調べ上げ、また民間人が残した記録や体験者の聞き取り調査した結果がこの本の大部分を占めている。彼らが真実を追求した結果は、現在日韓で揉めている従軍慰安婦問題、徴用工問題等についてが、ことごとく韓国側の主張は事実に反している事が証明されるに至った。それどころか竹島(韓国名独島)についてさえも、韓国側の主張が根拠が無い事も判明した。

これを公表した事で、恐らく李栄薫氏達の韓国国内での立場は悪くなると思うが、それにもかかわらず真実を追求する学者魂と韓国に不利な事実を敢えて公表する勇気に、まずは敬意を表したい。そしてこの『反日種族主義』が、日韓問題や韓国の本質に関心を持つ人にとっての必読の書であると推薦したい。

李栄薫氏達が真実を追求した結果は韓国政府不利、日本政府有利となったが、この『反日種族主義』は日本人の為に書かれたのでは無い。李栄薫氏達を走らせたのは「このままでは韓国が破綻にするかも知れない」と言う強い危機感からである。

その危機感を表すのが冒頭にある『嘘の国』である。例えば韓国で偽証罪で起訴された人の数は一人当たり日本の1250倍。国民も嘘つきなら政府も嘘つき、学問も裁判も嘘、嘘の国が韓国と言う訳である。韓国社会が嘘を許容しているので人々は実証精神に乏しく、一人の嘘つきのシャーマンが出ると人々は唯唯諾諾と従ってしまうのである。

韓国社会の嘘ともう一つの病巣が韓国社会の身分制度である。日本の身分制度は、むしろ職能別身分制度と言えるようなもので、例えば元百姓が主人で天皇の血を引く者が家来等もあり得るが、韓国社会の身分制度は「下男の身分の人間はあの世でも下男」と、その人の身分は死でもあの世でも変わらない厳しいものである。ところがこれでは一つの韓国民族としてまとまることは出来ない。そこで登場するのが日本である。

現在の韓国は日本を永遠の敵とすることでまとまることが出来たのである。韓国は日本より上の身分としてまとまったのだ。そこで日本より身分が上の韓国は日本に負ける事は許されないが、至上命題になった(注1)。つまり民族が身分を持ったのだ。しかしこれは民族主義とも違う。そこには個人の自由は無くシャーマンの言葉に従う全体主義の国のようである。その行き着く先は北朝鮮と同じ国家である。李栄薫氏が韓国で今起きている現象を『反日民族主義』とせず、『反日種族主義』と命名したのは上記の理由からである。

ここで韓国社会の身分制度をもう少し詳しく見てみよう。韓国社会では、他人と比較して自分が上か下かが重要な要素である。勿論自分が下の身分では不利だし、なにより精神的に不満である。そのため韓国人は常に自分が相手より上になろうと懸命になる。

韓国が何故国を上げて反日になったかと言うと、韓国(李氏朝鮮/新羅)は長年支那の冊封体制下で屈辱外交を強いられた反動からか、「日本を蛮族の国」と下に見ることで優越感を抱いていたのであるが、それは日本が日清戦争・日露戦争に勝利したため後の日韓併合時代ではやや収まっていたが、先の大戦が日本の敗戦で終わった事により「日本は下の身分の国」であるとの思いが吹き返したのである。

例えば徴用工問題では「完全かつ最終的に解決された」と記された1965年に結ばれた日韓請求権協定を破ったり、前政権が「最終的不可逆的解決」と認めた慰安婦合意を反故にしたり、2011年以前は韓国国内でなんら問題視されなかった旭日旗を突如掲げないように要求してきたりしている様は、韓半島で行われていた主人が従者や奴隷を躾けるために理不尽な要求に従わせる様と似ている(注2)。つまり日本を侮辱することで優越感を味わい、日帝に支配された事や支那冊封体制下で培われた屈辱感を開放したいのである。

そこで「日本を侮辱することで優越感を得る」これを『反日種族主義』を支える『侮日優越主観』と名付けたい。「日本を侮辱することで優越感を得る」?、と思い巡らすと、日本人にもそれらしい人々が大勢いることに気が付く。李栄薫氏が本の中で「慰安婦問題や徴用工問題に最初に火をつけたのは日本人だ」と言っているその日本人達である。

でも何故韓国人でも無い彼らが、事実を捏造してまで韓国人に嘘を植え付けるのか?(例えば従軍慰安婦問題を最初に火をつけたのは朝日新聞)。何故自分と同胞である日本人を貶める事をするのか?(例えば吉見義明名誉教授は、従軍慰安婦ではインパクトが無いとして、従軍慰安婦は性奴隷と世界に拡散)。しかしこれらは彼らが『反日種族主義』の韓国人と同様、日本人を貶める事で自分達は一般の日本人より上の身分であるとの優越感を持ちたいからだったとすれば理解出来るだろう。つまり彼らも『侮日優越主観』の持ち主だったのである。

この度の日本側に落ち度がない輸出管理問題や徴用工問題、レーダ照射事件等で、韓国人かと思わせる程に韓国側の肩を持って日本を非難する人がいるが、これも同類であろう(注3)。また日本人が偉業を成し遂げたりすると発狂したり、お通夜状態になる日本人コメテータ達がいるが、彼らも『侮日優越主観』の持ち主と見て間違いない。さらに韓国関係で無くても、例えば朝日新聞の珊瑚記事捏造事件(注4)のように、彼らも身分の上下にこだわる『侮日優越主観』の持ち主だからこそ、上から目線で一般日本人を叱り付けたい為に事件を捏造したと考えられる。

また共産主義思想を持つ日本人の多くが『反日種族主義』者と似ているのは、彼らも人間を上か下かで見る人間で、彼らが共産主義思想に飛びついたのは、舶来思想で自らを着飾って一般日本人を馬鹿にする為であり、すなわち『侮日優越主観』の持ち主だからである。それを裏付けるように彼らの多くが他人を蹴落とす受験戦争で打ち勝った高学歴者である。

話を韓国の『反日種族主義』に戻すと、『侮日優越主観』の元になっている韓国人の人を身分の上下で見ることを克服しないと何れ韓国は崩壊するだろう。その証拠と言えるのが、反日ではあれほどまとまっているのに国を捨てて他国に出て行く人間多い事である。理由は、韓国国内は反日意外では国民同士の足の引っ張り合いの社会だからである。

最後に、李栄薫氏はじめとする6人の執筆者はこれから困難な戦いをすることになると思うが、その戦いに勝利するためにはこの本の英訳本を出版して、アメリカの歴史学者に論争をいどみ彼らを論破することが最善であることを提案する。何故なら韓国の反日運動に燃料を注いでいるのは、『侮日優越主観』の反日日本人だけでなく、世界に影響力があるアメリカにいる悪意有る歴史学者達だからである。


注1、スイーツ世界大会
2011年に行われたスイーツ世界大会で、韓国チームは日本チームに妨害行為を行っていたのを審判員に見つかり、咎められることになった。これもと言う意識があるからである。(参考動画)

注2、日東壮遊歌
1764年頃に朝鮮通信使であった金仁謙が書いた『日東壮遊歌』に、些細な事をした下僕を棒で叩いて躾ける様子が書かれている。

注3、韓国を擁護する面々
例えば、朝日新聞、毎日新聞、NHK、立憲民主党、共産党、福山哲郎、小倉智昭、山口二郎、玉川徹、前川喜平、等々がいるが、彼らは韓国を愛している訳ではない。他の日本人を貶めることで優越感るため韓国の反日を利用しているにすぎない。

注4、朝日新聞珊瑚記事捏造事件
珊瑚記事捏造事件とは、1989年朝日新聞カメラマンが沖縄県西表島の珊瑚にK・Yと傷を付け、日本人がやったような記事を書いた事件である。
以下は記事の内容の一部「・・日本人は、落書きにかけては今や世界に冠たる民族かもしれない。だけどこれは、将来の人たちが見たら、八〇年代日本人の記念碑になるに違いない。百年単位で育ってきたものを、瞬時に傷つけて恥じない、精神の貧しさの、すさんだ心の……。 にしても、一体「K・Y」ってだれだ」。
まさに『侮日優越主観』そのものである。韓国の『反日種族主義』同様、嘘つきでもある。

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