http://kojoryoshu83.edoblog.net/%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%83%BB%E7%B5%8C%E6%B8%88/%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%81%AF%E9%8E%96%E5%9B%BD%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B人類は鎖国している
前回のエントリー『TPPの別の見方』で、TPP賛成者と反対者の立ち位置を書きましたが、チャンネル桜の討論番組【経済討論】亡国最終兵器 TPPの真実[桜H23/11/5] の中で、藤井聡京都大学教授が、日本が大損するのに推進する人間の精神構造の話をしていました。
http://www.youtube.com/watch?v=buBpYJO3Vro&feature=youtube_gdata
http://www.youtube.com/watch?v=KNOHHipRgPc&feature=youtube_gdata
http://www.youtube.com/watch?v=P_nP3eCiZl8&feature=youtube_gdata
その代表例が、11月3日の産経新聞に寄稿したTPPの推進者の伊藤元重という、あのルーピ鳩山とか、オカラ頭の岡田が出た東京大学の大学院教授です。
その記事を要約すると、
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①、市場を閉鎖して健全な経済発展をした国は歴史的には皆無である。
②、保護主義と経済学の論争は何百年続いている。
③、保護主義は結局経済を停滞させることになった。
④、TPPは即効性は無い。(直ぐに経済効果は出ない)
⑤、日本が開かれた国という姿勢をとるのか、市場を閉ざして閉塞感を高めるのかの選択だ。
⑥、日本がTPPに参加すると、世界貿易の自由化が進む。
⑦、米国の言うなりになってしまうとの危惧は、古いマルクスボーイみたいな話。
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だそうです。突っ込みを加えると
>市場を閉鎖して健全な経済発展をした国は歴史的には皆無である。
まず、日本は鎖国時代経済は発展していました。第一人類は他の惑星や恒星とも貿易をしていません。でも大発展をとげ地球を制覇する勢いですけど。
>保護主義と経済学の論争は何百年続いている。
>保護主義は結局経済を停滞させることになった。
論争は何百年続いるのに『保護主義は結局経済を停滞させることになった』の結論を出しちゃうんですか?。
>TPPは即効性は無い。(直ぐに経済効果は出ない)
では経済効果が出るのは何時。何億年後?。
>日本が開かれた国という姿勢をとるのか、市場を閉ざして閉塞感を高めるのかの選択だ。
結局、精神論かい。
>日本がTPPに参加すると、世界貿易の自由化が進む。
だから何。『保護主義は結局経済を停滞させる』の理由を述べてから言え。
>米国の言うなりになってしまうとの危惧は、古いマルクスボーイみたいな話。
最後は他人を貶しての雑言。他人を貶しても説得力が増す訳が無い。
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で、彼の立ち位置は、親米・アメリカの代弁者と言うことになりますが、その動機は損得では無く、GHQによる洗脳の結果。この手の人間の話は次回、『禅・達磨の目』で少し触れるかも知れません。
でも東京大学の経済学部とか法学部って、仕分けしたほうがいんじゃないんですかね。
【
人類は鎖国している】
江戸時代、鎖国状態であったにも関わらず、日本は経済発展していました。デリバティブは既に江戸時代に有ったは有名な話です。
18世紀、日本で囚われの身になったロシア人ゴンザロフは、日本が経済発展しているのを見て、日本は国内交易をしているから発展しているのだと考えました。交易すると経済発展するという考え方は、当時のロシア人も持っていたようです。
では交易すると、何故経済発展するのでしょうか。江戸時代に国内交易が活発になったのは、生活に有用な物が他の地域に有ったからです。その一つがホシカ。魚を使った肥料です。その頃の北海道ではニシンが大量に取れ、食料にするだけでなく肥料にした処効果抜群、農業生産は増大しました。
その需要の為、日本海に航路(北前航路)が出来、日本海側の町が繁盛し、その富のおかげで購買力が増して、経済が活性化されたのです。
江戸時代の頃では、生産性の向上を図ると言っても、人力では限度があります。幾ら畑を耕しても収穫高が上がる訳ではありません。質の良い肥料(ホシカ)を入れたらあっと言う間に効果が出ました。これは、地球資源の利用技術のおかげで経済発展した例です。
しかしニシンが獲れなくなると、北前航路は廃れ日本海側の繁栄は終わりました。従って、繁栄の原動力は始めに交易有りきではありません。
江戸時代の生産性向上の手段は肥料でしたが、現在は石油や天然ガスです。人類は地球の地下資源をエネルギーとして生産性の向上を図り発展したのです。
もっとも石油やガスが豊富なのに、発展しない国(ロシア)もありますが、それは国民が怠け者なのです。3度の食事を得て、使い切れないエネルギーが有るなら、幾らでも人が喜ぶ物、有用な物を作れる筈です。
働き者だけど作る能力が無い?。教育はその為にする物です。物作りは学校教育だけでは出来ません。先人から手取り足取りして学ぶ必要も有ります。でもその伝統が壊されると、物を作れない環境になってしまいます。
又、なまじ資源に恵まれると自分達で物を作らず、他所から買うくせが付き、これまた物を作る能力を失わせます。資源に恵まれていなくても、一時の繁栄で金など持つと同じことが起きます。この場合は、資源を持たない国はもっと悲惨な結果になるでしょう。
人類は地球内だけで経済活動を行っています。言わば鎖国をしている状態です。でも段々発展しています。発展出来た理由は、働いたことです。沢山メシを食い、地下資源のエネルギーを使って働いたのです。発展の理由は、最初に貿易有りきでは有りません。
確かに貿易が活発になると、発展途上国にも技術移転が行われ、富の平均化も行われ、相乗効果で人類が発展する可能性があるかも知れません。でも、それが目的なら発展途上国への技術移転は、共存共栄の思想と共に技術指導を行うべきでしょう。
技術移転が貿易競争の付帯事項なら、技術退化する場合もあります。それは悪貨が良貨を駆逐するように、生産性も低く品質も悪いが、安い労働力で作った製品が、生産性も高く品質の良い国の製品を駆逐する可能性があるからです。
どちらにしてもアメリカによるTPPは、共存共栄の思想等みじんも有りません。貿易が、人類の発展や共存共栄の道だとの幻想に、惑わされるべきでは無いでしょう。
北前船:幕末の頃に来た西欧人は、あまりの船の多さに『内陸には人が住んでいないのでは』と思った程だった。