http://kojoryoshu83.edoblog.net/%E6%9C%AA%E9%81%B8%E6%8A%9E/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%81%AE%EF%BC%92%E3%81%A4%E3%81%AE%E9%A1%94マッカーサーの2つの顔
日本にとってのマッカーサーは2つの顔を持つ。一つの顔は、焚書・検閲まで行って日本国民を洗脳し、日本の自立を否定する日本国憲法を作り、それを日本に押し付けて、永遠に日本を立ち上がれないようにした策士としての顔である。日本が未だまともな独立国では無いのは、勿論日本国民の責任であるが、マッカーサー策某が上手だったからでもある。
そしてマッカーサーのもう一つの顔が、米国議会上院の軍事外交合同委員会で『彼らが戦争を始めた目的は、主として安全保障上の必要に迫られてのことだったのです』と証言した、日本の良き理解者の顔である。
この事により、人によりマッカーサーの評価が分かれたり、日本人に接して変わったのだと言う人もいる。確かに米国議会上院の軍事外交合同委員会でのは引退後の事であり、古さ順からいったら日本統治により考えが変わったように見える。
しかし『日本の戦争は自衛の為だった』との証言は、そのときの彼の置かれた立場から見ると、自分を辞めさせたトルーマンへの政策批判であり、宛て付けでは無いだろうか。
それは同じ日の証言に、『太平洋において米国が過去百年間に犯した最大の政治的過ちは共産主義者を中国において強大にさせたことだと私は考える』と言っているにも窺われる。
では、マッカサーは日本人を理解していなかったのか、以前は日本が戦争に至った理由を理解していなかったのか、と言えばそうでも無さそうである。
それは軍事外交合同委員会での証言に『いつの頃からか、彼ら(日本人)は、労働の尊厳と称すべきものを発見しました。つまり、人間は、何もしないでいるときよりも、働いて何かを作っているときの方が幸せだということを発見したのです』と言ったように、かなり以前から日本人を理解していたようである。
それなのに何故占領政策に、日本人の心に戦争についての罪悪感を永遠に植えつけような工作を行ったのであろうか。しかしこれも一面、日本を理解しているのも一面ではないだろうか。つまりマッカーサーは、初めから日本の事も日本の立場も理解していながら、日本が二度と立ち上がらないよう工作をしたのである。そのマッカーサーが変質したように見えるのは、状況が変わったからである。
日本の占領政策を行うに当たって、マッカーサーには左右の腕と称された、コートニー・ホイットニー准将(GS=民生局長)とチャールズ・A・ウィロビー少将(G2=参謀第2部長)がいた。ウィロビー少将の名は、保守活動をしている者にとってはお馴染みであるが、少し説明をすると日本の赤化を止めてくれたのはウィロビー少将である。
もしウィロビー少将の働きが無ければ、教員に日教組がいるどころでは無く、日本は共産主義者が支配する国となり、勿論天皇は無くなり、神社仏閣等は全て焼き払われ、日本の歴史は全て書き換えられ、北朝鮮と大差ない国になっていた筈である。
この筋金入りの反共主義者とでも言えるウィロビー少将であるが、共産主義が肌に合わないと言うか、初めは恐らく共産主義にうん臭いものを感じていたのだろう。それが改めて共産主義者に疑いを持つようになったのは、G2が日本の司法省刑事局の『ゾルゲ事件資料』を押収したことによる。
ウィロビー少将は、ゾルゲ達の正確無比な諜報活動に驚いたが、GHQ内部の共産主義者の多さを見ても驚いたであろう。特にGS=民生局の共産主義者の多さは、ルーズベルトやトルーマン政権が、日本を赤化することで二度と立ち上がらない国とするため、共産主義者を容認したのだろうが、GSの独断専行により日本の実情にそぐわない雑多な問題が起きていた。
そししてGSへの不信と対立の中で起きたのが、朝鮮戦争である。ウィロビー少将の共産主義者への不信が確信になったときである。
当時のアメリカ政府の韓国への姿勢は半島放棄と思わせるような物だった。それが米人救出からトルーマンからのマッカーサーへの介入せよの命令となり、以外な北朝鮮軍の強さとマッカーサーの仁川上陸作戦の提言、そしてワシントンとマッカーサーとの対立から、結局はマッカーサーの仁川上陸作戦により事態は打開出来たのである。
しかしその後もトルーマンとマッカーサーの対立は続く。そして、マッカーサーは連合軍最高司令を解任される。理由はマッカーサーを自由にさせれば、中共と全面的な戦争になるからとか言われているが、マッカーサーがやらんとしたのは、鴨緑江に架かる橋を爆撃することだった。鴨緑江に架かる橋が落ちれば共産軍の進撃は鈍る。しかしそれをワシントンは許可せず、マッカーサーを解任したのである。
それが米国議会上院の軍事外交合同委員会でのマッカーサー証言に繋がる訳であるが、果たしてマッカーサーの解任理由が、第三次世界大戦を防ぐ為だったのだろうか。ウィロビー少将は、中共軍が鴨緑江の橋が落ちることを警戒して6ヶ月も待機していたのに進軍を開始したのは、鴨緑江の橋が聖域であり続けるとの情報が中共に伝わったからだろうと推測する。
と言う事は、マッカーサーを解任したのは、トルーマン大統領の周りにいた共産主義者による策謀によるものと考えてもおかしくはない。否トルーマン自身が共産主義者であった可能性も否定できない。
朝鮮戦争と平行して、アメリカではマッカーシー共和党議員によるマッカーシズム(赤狩り)が行われ、共産国を敵とする冷戦構造が始まる訳であるが、ではアメリカ人の共産主義者、ワシントンに巣食っていた共産主義者やGHQ内部にいた共産主義者とは何だったのであろうか。
アメリカの共産主義者の中には、ロシアからアメリカに帰化し、軸足がアメリカより祖国ソ連に有ったアメリカ人も確かにいる。ゾルゲ事件公表を猛烈に抗議し、朝鮮戦争でアメリカと戦った中共軍総司令・朱徳に、自分の遺骨と全財産を送ったアメリカ人ジャーナリスト・アグネス・スメドレー女史のような人間もいる。
彼らはマルクス・レーニンの信奉者だったのかも知れない。だが日本国憲法の作成を指揮した、GSのホイットニー少将やケーディス大佐はどうであろうか。彼らの組織GSは共産主義者達の巣であった。GSには、ルーズベルト政権が行ったニューディール政策を支持するニューディーラーが多かったとされるが、これもニューディーラーと言う皮を被った共産主義者のことである。
しかしながらホイットニー准将もケーディス大佐も赤狩りで追放された訳ではない。ケーディス大佐が失脚したのは、ウィロビー少将の画策したスキャンダルによるものであるが、当然反共主義者のウィロビー少将が画策したとなると、ケーディス大佐が共産主義者と睨んだ末のものだったであろう。
ではホイットニー准将はどうであろうか。彼はウィロビー少将が提出した『GHQ内部の左翼職員について』の報告書に激怒した。しかし、ホイットニー准将は最後までマッカーサの側近を務めあげる。ホイットニー准将のもう一つの特徴は反日なことである。ルーズベルトもトルーマンも反日であった。そして彼らも容共であった。
アメリカ人の共産主義者と反日、アメリカと反日。何かだぶって見えないだろうか。共産主義者のハリー・ホワイトがハル・ノートを書いたように、日本国憲法もホイットニー准将の部下である共産主義者達が作ったものであった。どちらも日本を破滅に導く罠であった。
マッカーシー議員による赤狩りは、極端過ぎると言われ中途半端で中止となった。それはアメリカ中枢にいる人間も追放される恐れが出てきたからと思われる。おそらくアメリカと共産主義は切っても切れない間柄なのだろう。
しかし共産主義国が破綻した現在、もはやマルクス・レーニンの教義を標榜する共産主義者は世界でも殆ど居なくなった。嘗ては共産主義者であった仙石由人も菅直人さえも、マルクス・レーニンの事は言わなくなった。
しかし、共産主義を言わなくなった仙石由人も菅直人も反日だったように、現在のアメリカにも容共のルーズベルトやトルーマンのような反日政治家や、ハリー・ホワイトやホイットニー准将のような日本を陥れることを画策する人間はアメリカに一杯いる。仙石由人や菅直人だってアメリカが育てた者である。
そうなると共産主義の定義をもっと拡大解釈するべきかもしれない。それならTPPやグローバル主義も共産主義と言っていいだろう。そこには必ず日本を陥れる罠がある。
反共思想を持つウィロビー少将のおかげで日本はかなり救われた。と言ってもウィロビー少将とて親日とは言えないだろうが、朝鮮戦争がウィロビー少将の活躍を後押したように、現在のアメリカが日本を支援しているのは、膨張する支那の方が危険と感じているからにすぎない。
アメリカが日本を支持しているように見えるのは、アメリカが持つ2つの顔の一面を偶々見せだけである。それは、日本の破壊者と日本の理解者としてのマッカーサーが見せた2つの顔と同じである。
著者C・A・ウィロビー:山川図書出版
『
タタール人は侵攻し、征服した地域を略奪して荒廃させた後、征服地に重い、しばしばし耐え難い貢物を課して、アジアの草原地帯か、遊牧民の国に引き揚げるかである。これに対してチュートン人やリヴォニヤの騎士たちは、征服した国々を組織的に殖民地にし、その人民を奴隷化し、全ての民族的な諸特徴、宗教、社会秩序を破壊した』
これは講談社学術文庫『山内進著:北の十字軍』の中にある、タタールやドイツ騎士団に侵略されるロシアを描いた一節であるが、ドイツ騎士団のやりかたとGHQの日本支配が、良く似ていると感じないだろうか。
ドイツ騎士団が破壊に使った武器はキリスト教であったが、GHQの場合は共産主義であった。否、GHQが持ち込んだ民主主義、個人主義なども、日本の民族的社会秩序を破壊する武器だったのだろう。
そう感じれば、破壊は現在でも続いているように見える。GHQにより偏向させらたマスメディアが、グローバル主義を礼賛し、国を愛政治家がいると偏狭なナショナリストと烙印を押し、国民意識を否定し、地球市民であることを意識させようとしているのは、GHQのシナリオに則ったものと見える筈である。
アメリカをよく知るべきである。と言っても、アメリカと手を切るべきと言っている訳ではない。残念ながら此処しばらくは手を切れないだろう。勿論現在自衛隊の兵器は米軍仕様、またアメリカが世界第一の軍事大国だからでも有るが、アメリカが衰退して支那のGDPが上になったとしても、しばらくは手を切るべきでは無いだろう。
その時は日本がアメリカを支援することになるだろう。それはドイツがギリシャを切れないのと同じである。切ることは『唇亡びて歯寒し』だからである。当然日本は、アメリカの二面性を理解して付き合うべきである。アメリカと手を切らなくても、日本が自尊自立の道を歩むことは出来る。否、そうすべきである。