http://kojoryoshu83.edoblog.net/%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%83%BB%E7%B5%8C%E6%B8%88/%E5%AE%89%E9%83%A8%E6%94%BF%E6%A8%A9%E4%B8%8B%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%94%BF%E7%AD%96安部政権下の経済政策
今日の記事は、街宣活動で配るチラシの草稿です。選挙期間中なので、内容は安部政権が誕生したとき実行するだろう経済政策の説明です。と言っても以前の記事の焼き直しです。なのでインターネットで情報を得てる人には、新しい情報は有りません。
内容は、
・インフレターゲットの必要性
・国による投資の必要性
・円安の必要性
・その他、
で、何回かに分けて説明します。
先日の夕方、銀行の人がカレンダーを持って来ました。名刺が欲しいと言ったので、名刺と一緒に自作のチラシを渡した処、一読すると急に玄関に入って良いですかと聞いてきました。玄関に入った彼の話を聞くと『横浜で右翼のデモを見たが、朝鮮高校の授業料無償化反対と言っていた。彼らが言っている通り朝鮮高校の授業料無償化はおかしい』から始まって『原発を無くしたら、日本の技術は無くなる』、『蓮舫が事業仕分けで先端技術の研究予算を削ったのは、本当に頭に来る』と、完全に私と意見が一致しました。
TV・新聞を見ても彼の代弁者はおらず、日頃の鬱憤が胸に詰まっていたでのでしょう、又来させてくださいと言って銀行員は出行きました。やはり情報源がTV・新聞だけも、おかしいと思う日本人は相当いるのでしょう。
でも彼は、輸出競争力を高める為とデフレ退治の為に円を刷ることは理解しているようですが、インフレへの警戒感があることと、安部総裁が言っている無制限の金融緩和の意味を正しく理解していないようなので、後は納得できる正論を聞く機会があれば、保守の日本人が出来上がります。
彼の懸念するインフレに対しては『インフレが酷くなれば刷るのを止めれば良いでしょ』、『目安は円安のレートで分かるでしょ』、『デフレを放って置くと、本当のインフレになるよ。そのときのインフレは日本人が物が作れなくなっているときなので、抜けられなくなるインフレだよ』と言ったところ納得したようですが、問題は銀行に金を預けている顧客が僅かなインフレも反対だろうと言うことでした。
確かに安部総裁のインフレターゲットや金融緩和政策は、貯金に税金をかけると同じであり、しかも一番貯金をしている年代というのが定年を迎えた団塊族なので、景気がよくなろうとインフレになったら生活設計が狂うと反対する可能性があります。ひょっとしたら、まだ野党なのにマスコミや日銀・財務省の役人が安部叩きをしているのは、現在権限を持っているのが団塊世代だからかも知れません。
でも彼らが反対しようと抵抗しようと、調整インフレ(インフレターゲット)や金融緩和政策は、これからは常識になるでしょう。
調整インフレ(インフレターゲット)の必要性
現在のデフレの原因は日本人の貯蓄好が関係しているところもあります。確かに収入以上の浪費をするよりは貯蓄をする方が良いでしょう。と言っても物には限度があります。幾ら貯金が若い時に一生懸命働いた金だと言っても、食べ物なら賞味期限があります。金も同じです。否、金にも賞味期限を付けるべきなのです。
全員が同じ年代の社会があったと想像して見て下さい。全員が同じように働いて、全員が同じように貯金をして、全員が引退後に貯蓄で生活をしようとしたとしても、いざ歳をとって金を使おうとしたときに誰も働いていなければ、幾ら金が有っても物は無い、サービスは受けれらないことになります。従って国が調整インフレ政策などしなくても、何もしなくてもインフレになるのです。
金はその時々の豊かさや国の経済規模を示す指標になり得ても、将来も同じ価値を有するとは限りません。問題は金があれば将来安泰と思ってしまうことです。そしてその思いが経済の血液であるべき貨幣を滞貨させてしまうのです。つまりデフレです。
国による投資の必要性
では、将来金が有っても物は無いサービスは受けれらない事態になることを避けるために何をなすべきでしょうか。それは未来を見越した投資です。現在日本が世界第2~3位のGDPの国になり国民が繫栄を享受できているのは、過去の官民による投資の結果なのです。
よく民主党政権発足前に『コンクリートより人へ』とか『国の財政赤字を、子供に借金を残すのだから、国はもっと倹約し公共投資を控えるべきだ』等と有識者達が言い、事業仕分けと称して先端分野の研究費までも削られたわけですが、結果はどうでしょうか。
デフレ不況はそのまんま。国の研究予算が削られただけでなく、長引く不況による業績不振により企業の研究投資も削られました。この結果は失われた4年間として後々まで響く筈です。企業も国も世界と競争しているのです。
また国が倹約すると、その分国民が豊かになると勘違いしている人がいますが、これも間違いです。国の経済規模はGDP(国内総生産)で表されます。また国民の豊かさは国民一人あたりのGDP(=GDP/日本の人口)で表せられます。
そしてGDPは、民間消費、民間投資、政府支出、純輸出益の総和です。
GDP=民間消費+民間投資+政府支出+純輸出
その式から分かるように、政府支出を削ると当然GDPは落ちます。つまり国の倹約が国民を貧しくするのです。
政府支出と言っても現代の役人は働いているのです。国も生産に寄与しているのです。政府支出が増えると言うことは、民間の労働力や資材を奪うと言うことなので、民業を圧迫し民間の経済活動を阻害する面もあります。
しかし現在の日本はデフレ不況なのです。公定歩合を幾ら引き下げても、銀行から金を借りる企業は少ないのです。デフレ不況とは、日本全体に生産力が有るのに消費が生まれず、消費が減ったため企業の業績が落ち込み、業績が落ち込んだ為給与カットや人員カットをする企業が増え、そのため消費がされに冷え込むという悪循環に陥ることです。
デフレ不況の問題は企業や国民の生産力や技術力が失われることです。そして行き付く先はインフレです。そのインフレは、調整インフレや金余りのインフレでは有りません。企業の国際競争力が失われ、国民が物を作る能力が失われて起こる、物不足・物価高騰のインフレです。日本が此処まで陥った場合、日本は二流国になり、立ち直るのは困難でしょう。
しかし今なら、冷え切った民間消費に代わり政府支出を増やすことで、デフレ不況を脱出させることが出来ます。別に無理に仕事を作らなくても、国がやらなくてはならない仕事は山程あります。
まず中国の尖閣に対する野心を挫くためには国防力増強は急務です。武器を国産にすれば国防費は全て日本の企業=国民の懐に落ちます。また事業仕分けで削られた先端分野への研究も増やす必要があります。
先端分野への研究投資は、その成果が何時得られるのか分からない処があります。しかし例えば、新幹線の技術は戦前の海軍戦闘機ゼロ戦の技術が使われているのです。敗戦により戦前の軍事力は全て捨て去られましたが、軍用機への研究投資は人的資産として戦後の日本の技術力として生きたのです。
発展途上国なら道路・鉄道のインフラ整備は、すぐさま効果を上げると思いますが、日本程の国になると道路・鉄道への投資でも劇的な効果は得られないでしょう。でもトンネル崩落事故を見れば分かるように、ケチれば人命も失われます。先端分野への投資はさらに長い目が必要です。
そしてこれも待った無しの、防災への公共事業です。2010年度の日本の公共事業の対GDP費は3%台とフランスより多くスエーデンより少ないと、必ずしも多く有りません。しかし地震台風が無いフランスやスエーデンと同程度なのは逆に異常です。勿論震災復興により額は増えると思いますが、これから起きる地震への対策も必要です。また日本の貧弱な港湾施設への公共事業も必要でしょう。
『コンクリートより人へ』とマスコミに踊らされて敵対視された公共事業ですが、公共事業を行う事で技術力を保持することは重要です。東北大震災で自衛隊が活躍しましたが、各地の建設業者の重機がなかったら、捗らなかったと言われます。設備と技術力、これも投資による資産です。
それに対して、子供手当ては只のばら撒きです。公共事業が働くことで技術力が磨けると言う生きた教育が出来るのに対して、子供手当ては教育にも資産にもなりません。
では、国防費・先端分野への投資・防災等への公共事業の金は何処から出てくるかと言えば、金を刷ることだけで生まれます。独立国は自国の通貨を発行することで、独立国でありえるのです。
民主党政権が生まれる直前の円相場は1ドル100円程度でした、それが70円台にもなり2012年12月9日現在、1(米)ドル82.5円。それも国債の各付けが「Aa3」の国なのに円は独歩高です。
と言うことは、その分円を刷っても良いということになります。現在日本のGDPは凡そ500兆円、その15%としても75兆円仕事を増やせるのです。金が無い訳では有りません。金を刷り、国がやるべきことやるだけで、日本は潜在的生産力を取り戻し、デフレ不況から脱することが出来るのです。
そういうと、とどめが利かなくなるとかハイパーインフレになるとか言う人がいますが、円レートを見ながら円安に振れすぎたら止めれば良いだけで、ハイパーインフレには絶対なりません。それにハイパーインフレの定義は年率13000%の物価上昇であり、終戦直後の大インフレでも年率600%程度なので、まずはありえないと言うことです。ハイパーインフレを口にする有識者がいたら、ほら吹きか偽経済学者と言って間違いがないでしょう。
おさらいとして、政府支出を増やすことに対して『将来に付けを回す』と言う人がいたら『貴方は過去の遺産があったから食べていられるのだが、貴方は只遺産を食いつぶすだけで将来に何も残さないのか』と言ってください。
(続く)
PR