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崗上虜囚の備忘録

日本よ!。私の日本への思いです。 コメントに返事を書かないこともあります。悪しからず。 コメントの投稿は日本人だけにしてください。 日本人でない場合は、国籍を書いてください。 注、google chromeで閲覧出来ませんので、filefoxかinternet explorerで閲覧してください

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馬鹿かよ!

チャンネル桜の討論番組を見て「馬鹿かよ!」と叫んだ記憶はあまりないが、今回の『どうなる?どうする?TPP』では何度も 「馬鹿かよ!」 と言ってしまった。その一つがTPPで問題となっている農産物=米に関しての討論の時であった。
 
亀井亜紀子氏が食の安全保障としての食料自給率の問題、即ち緊急時の海外から食料が入らなくなった時のシュミレーションでは、米の自給どころでは無く、カロロリーベースでは米を止めて畑に芋を作らなければならない事になるを述べた時、田中秀臣氏が話を遮るように「亀井さんの前提となる安全保障と言う物が何時も疑問なんですけど、その話で行くと日本はなんか何らかの事情でで完全鎖国して、戦中と同じような、又は戦後と同じような状況に陥るという暗黙の前提にされているようですけど、それって果たして本当に今深刻に考えるべき問題なんですかね」、「最悪の想定とは隕石が地球に墜落とかで、亀井さんの想定している事は極端な例で・・」とか。
 
  
上がその場面である。皆唖然とした顔をしている。「亀井さん。貴女の考えは正しい。あらゆる事を想定して安全保障を考えるのが政治家の仕事です。空理空論の学者の言っていることなど真に受けては駄目ですよ」
 
海外から食料が入らなくなる想定が極端だと言ったら、日米安保条約を結んでいることも、自衛隊が存在する理由も極端なことを想定していることになる。それが無意味というのか。
 
田中秀臣氏は隕石落下だけで思考停止をしてしまうようだが、隕石落下だって、直径10kmの隕石なら日本列島が消し飛び人類存亡の危機を迎えるので対処は出来ないかも知れないが、直径100mなら山手線内が消し飛ぶ程度なので国家は残るなど、如何様にも考えられる。当然その時国家や政府が存在すれば、そのような事が起きても対処しなければならないだろうし、それなら国は如何なることが起きても最善な対処が出来るように、あらゆる事を想定すべきなのである。
 
田中秀臣氏が極端だと思っていても、他の人間にとっては想定内の事かも知れない。田中秀臣氏の問題は、彼の想像力の有無の問題では無い。田中秀臣氏の考え方の問題は、思考の途中の何処かで思考停止したことである。そして彼が言う『極端』とは彼が思考停止した処にすぎないのに、他の人にも思考停止すべきだ言っているのに等しいのである。ようするに討論の邪魔。
 
「田中秀臣先生。事象を解明するには物事を単純化して考えると同時に、極端な事例を想像してそれに当て嵌めて検証しなければならないんですよ」。極端な事例を想像するのがその道のプロの仕事。まあ空理空論の経済学をやっていれば物事に真剣に考える事が無いのかも知れませんが。
 
処が金子洋一氏も田中秀臣氏と頭の構造は同じだった。「そういうケース(最悪な事)を想定されたときに当然、当然石油などエネルギーの輸入も途絶する訳ですよね。そうしたら例えば田舎に米や芋が有る、それをどうやって都会に運ぶですか?。大八車で運ぶわけでしょうか」と言い出した。
 
「馬鹿かよ!」それを考えるのが政治家の役目ではないか。関岡英之氏が割り込んで来たので、その後金子洋一氏が何を言いたかったのか分からないが、彼も想定外な事は思考停止をし、思考は他人任せ。
 
「金子洋一先生、田中秀臣先生、世界には九州の縄文人を絶滅に追い込んだ喜界島カルデラ以上の火山一杯あるんですよ。噴火すれば勿論北半球は冷夏」。
 
更に上がいた。原田泰氏である。「(食料の輸入が途絶えることは)農業にとっては良いことじゃないですか。減反をしているわけだから」だと。
 
食料自給率の低い日本で、海外から食料が入らなくなる事は国民が飢えて死ぬ状況である。それが農業にとって良いことか。農家と国家の存続を考える農業と勘違いしているのでは無いか?。原田泰氏は、稲作を止めて芋を植えるような事態は農水省の過大シュミレーションによるものだと言う。又原田泰氏は、そのような状況になっても、現在は機械が有るので農地を復活するのは容易であると言う。
 
それなら、農地が減り農民が減った後、どのくらいの速さで食料を生産できるかのシュミレーション結果を見せて貰おうか。
 
TPP推進者の頭の程度はこんな物である。「馬鹿かよ!」である。これだけでもTPPは駄目である。
 
ただ同じTPP推進論者であるが、田村秀男氏の事を一言弁護して置く。彼のTPP推進の理由はアメリカの懐に入る事が日本の生きる道と考えているようである。勿論他のTPP推進論3人の想定外の安全保障である。
 
「でも田村秀男さん。アメリカってそんな誠実な国ですか。次に共和党政権が出来たらアメリカは完全に内向きになりますよ」。「内向き=外など知りたくも無い」です。
 

1/3【討論!】どうなる?どうする?TPP[桜H25/12/14]
 
 
3/3【討論!】どうなる?どうする?TPP[桜H25/12/14]
 
 
その他:
田中秀臣氏:「ネットでアメポチとか言われた。(TPPは)アメリカの陰謀だと書き込むのがいる」。
 
最近不思議な事に、TPP反対の理由を上げると「陰謀説」の一言で片付ける人がいるようである。陰謀説=トンデモ説、軍備増強=戦争=悪、悪い言葉と結びつけて言論を封じる、左翼の手法と同じである。
 
でも、こんな情報も有る。
「これって陰謀じゃないか?」。別に謀略でも、計らいでも構わないが、世間ではこれを陰謀と言う。氏がアメポチと言われるのは、氏が言っていることが他の者に理解出来ないからだろう。
 
金子洋一氏:食料が来なくなることは考えられない
 
嘗てアメリカは他国に対して度々禁輸を行った。勿論日本に対してでもある。1973のニクソン 大豆禁輸である。そして穀物は戦略物資である。さらに戦略物資だった石油の禁輸は、日本が戦争を起こさなければならない状況に陥れた。金子洋一氏は歴史から何も学んでいないのではないのか?。
 
田村秀男氏:TPPに入ると米作農家が潰れると言っているが、アメリカは米をそんなに作っていないない。否、作れない
 
でも、人間の胃袋は一つしかない。日本人が米以外の別の物を食べた時点で米の消費は落ちる。つまり日本の米作農家が潰れる。つまり食の安全保障の安全保障が脅かされることだ。「農家の所得保障をすれば良い?」。そこまでしてTPPを加わる理由は?。
 
 
TPP推進論者は総じて、現在の日本の食の安全保障が失敗であると言って、農業政策を批判していたが、解決がTPPに有ると言いたいのか?。むしろ日本の食の安全保障に止めを刺すことではないか。
 
又、特に気が付いたのは、TPP推進論者は『自由貿易信者』なことである(TPP反対の人の中にも信者はいる)。それが為か彼らは、財政破綻論者が国と家庭の財政が区別出来ていないように、国家と企業の区別が付いていないようである。
 
例えば、同じ商品を売っている企業同士が他社の商品を売り買いしたところで、両社が繁栄するわけではない。否、そのようなことはしない。又、企業は物やサービスを売って代金を得なければ存続できないが、国は別に海外に物を売らなければ存続出来ない訳ではない。処が『自由貿易信者』は外貨を稼ぐことが豊かになることだと信じて疑わないようである。
 
これが大きな錯覚である。海外に物やサービスを売ることは、海外の人のために働くことである。海外の人のために働き、得るのは外国の政府の発行した貨幣である。共通通貨で有っても、それは自国でも発行できる他国が発行した貨幣である。
 
例えば足利時代に日本は明からある物を輸入していた。銅銭である。理由は急速に発展した商業に貨幣に対する需要が高まった為であるが、明の銅銭の引き換えは硫黄や銅、刀剣、漆器などであった。でも普通の人なら「馬鹿ばかしい。輸出できるぐらいの銅があるのなら、日本で銅銭を鋳造すればよいではないか」と考える筈である。
 
処が現在風解釈をすれば、それが「日本は輸出をして外貨を稼いで豊かにになった」となるのである。それって可笑しくはないか?。
 
又、植民地時代、欧米諸国は東南アジアで現地の安い労働力を利用して香辛料やコーヒを栽培させ、それをヨーロッパに高く売りつけ大儲けをした。食料を生産していた農地に香辛料やコーヒを栽培させられた現地では深刻な食糧危機に陥り、現地人の寿命は35歳程度に低下した。
 
でも植民地時代なので、大儲けをしたのは白人で、現地人は一方的に搾取されたのであるが、それって現在の多国籍企業と発展途上国の関係に似てないだろうか。貿易が盛んになり、人々に雇用の機会が得られても、潤うのはその国の人では無い場合だって有り得るのである。
 
それでも貿易により人々が豊かになった例もある。それは江戸時代の日本で蝦夷地との交易の事である。国内交易なので、貿易とは違うといわれるかも知れないが、貿易による人々が豊かになった例と言って良いだろう。
 
蝦夷地との交易は、蝦夷地が産出するものは、内地に無いコンブやホシカ(魚の肥料)であり、当時の足の短い帆船による交易であった為、途中の停泊地が必要となり、停泊地になった所はその無駄のために大いに栄えたのである。無駄が富の分配だったのであるが、帆船が汽船に変わると停泊地は素通りされ衰退することとなった。
 
貿易により人々が豊かになる理由として考えられるもう一つは、大量生産や適材適所による効率である。効率が良くなれば、余った人間を別の生産に振り分けられることが出来るからである。
 
しかし国と国との貿易では、効率化による余った人間を別の生産に振り分ける事が出来るとは限らない。帆船が汽船に変わったことで、衰退した酒田市のようになる可能性が出てくる。特にTPPのような硬直した自由貿易と言う名の管理貿易は、富の分配が全く保障されていない。
 
それ以上に、自由貿易の一番問題なのは、国家が将来を見越して育成する若い産業の芽を摘んでしまう可能性があることである。現在航空技術やOS、CPUはアメリカの独断場である。政府調達も内外無差別となれば、日本の防衛産業は壊滅するだろう。
  
日本人の能力が無かったわけではない。嘗て日本の航空技術がアメリカに拮抗したときが有った。それは何と、アメリカが日本との戦争を控え、航空機の輸出を止め、航空機技術の流出を止めたときだったのだ。つまり自由貿易で無くなったことで日本人技術者の才能が開花し、日本のその後の発展に貢献したのである。
 
前回に続き、思考の不徹底な人間の批判となってしまった。
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前門の虎

「前門の虎、後門の狼」、まさに日本の現状である。まず「後門の狼」とは、支那人朝鮮人による日本乗っ取りの様を表しており、それは、朝鮮人政党である民主党政権誕生により100%成功するかもしれないと危惧されていたのは、つい先日であった。
 
それが安倍政権誕生で支那人朝鮮人共の野望は覆されたのだが、依然支那人朝鮮人は日本のあらゆる組織に食い込んでおり、日本国民の気の緩みがあれば、支那人朝鮮人による日本乗っ取りは、何時成功してもおかしくない状況である。
 
ところが現在は「後門の狼」に加え「前門の虎」が最大の危機として迫っているのである。「前門の虎」、即ちTPP加入による日本の解体のことである。それも「後門の狼」を追っ払った安倍政権により、日本の解体が行われようとしているのである。
 
先ずは、2013年6月19日に行われた安倍首相の英国ロンドンの金融街シティにおける講演の動画を見て頂きたい。
 
 
以下は、講演内容の抜粋である(青字)。 
 
日本は第一にデフレからの脱却、第二に労働制生産性の向上、財政規律の維持、トリプルの構造課題を同時に解かなくてはならない。それには成長が必須の条件だからです。
 
では如何にして成長を図るのか。
 
国を開くこと、日本の市場をオープンにすることです。これは政治家になって以来、私の中に流れる一貫した哲学です
 
何年前総理となったおり、私は日本とアセアンのEPAを締結するよう交渉を急がせませました。今回、再び総理となって最初の課題が米国を中心とするTPP、そしてEUとのEPA、果たして乗り出すべきか否かでした。
 
TPPを支持した皆さんにも有りました。私は全力で説得しました。
その上で交渉参加を断を下しました。私が追い求める日本とは、世界に対して何処までも広々と、オ-プンに繋がる日本です。
 
日本の再興に繋がるものは、古い日本を新しくし、新しい日本をもっと強くする強力な触媒です。対日直接投資も、その期待がかかります。2020までに、外国企業の対日直接投資残高を今の2倍、35兆円に拡大します。最近の相場で換算すると、3千7百億ドルを上回る規模になります。
 
一つ例を紹介します。限りないイノベーションが起こりうる大きな市場が、日本に現れようとしています。電力市場です。
 
福島を襲った悲劇は終息しておりません。被災者の苦労を思うと、居ても立ってももいられな思いがします。しかし電力市場を改革するなら、最大の危機を機会に変えるべしと、私の中で次第にそういう考えが強くなりました。
 
原子力発電の安全性を高め、核不拡散レジームに貢献し続けること、世界の先頭を走っていた日本は此処から撤退する道を選びません。
 
他方で、私は日本がエネルギー技術世界中の、あらゆるエネルギー技術の融合を、日本こそが担うべきだと思いました。それこそが、福島を未来へつないでいく道ではないか、そう思えたのです。
 
日本の太陽光電力市場は、今年度、再び世界でトップクラスの市場規模を取り戻します。風力、波力、バイオマス、水素そして燃料電池、私たちの前には多様な機会が現れています。
 
私たちは、欧州が20年以上かけ、電力市場の自由化、開放と、発電送電システムの分離、そして電力市場の連携と統合を進めてきた歴史に、多くを学びました。そのそして日本でもつい先日、半世紀以上続いた市場の寡占に終止符を打ち、電力市場の自由化と送配電の分離を進める意思決定をしたのです。
 
これは、必ずや広範なイノベーションのトリガーになります。投資を惹きつけてやまない、膨大な機会が現れるはずです。外から資本を招き、知識や経験の豊かな人材を積極的に受け入れて、どんな日本をつくりたいのか、いま電力について申し上げたように、リスクを果敢にとり、新分野にイノベーションを起こす、チャレンジする日本です。達成目標は例えば、開業率を、米国英国並みにすることです。
 
この秋、税制に大きな変更を加えます。税をインセンティブとして使い、企業の事業再編を促進します。リスクをとって設備投資をする企業がインセンティブをもてるよう投資減税も実行します。
 
3年間で国内民間投資の水準を、リーマン危機以前のレベル、70兆円、7千億ドル以上に戻すつもりです。
 
そして、こんな事も言っていた。
 
それから、高齢化がもたらすイノベーションがあるでしょう。高齢化に関して世界の先頭を行く日本は、成熟した社会にふさわしいサービスや、産業技術を生み出すのに、誰より恵まれた位置にいるからです。
 
健康や、高齢者介護の市場規模を、いまの約420億ドルから、2020年までに、1060億ドル以上に拡大させます。医薬品、医療機器、再生医療といった医療関連ビジネスの市場規模を、同じ期間に、1270億ドルから、1700億ドルまで増やします。
 
既に、欧州の革新的な企業がたくさんこの市場に参入していることは、皆様もご承知のとおりです。
 
以上を見て、感想は如何であろうか。
 
選挙前、安倍首相はTPP加盟に慎重な姿勢を見せていた。否、そう思われていた。しかしこの講演を聞く限りでは、「国を開くこと、日本の市場をオープンにすることです。これは政治家になって以来、私の中に流れる一貫した哲学です」と、安倍首相の考え方はTPPの思想と全く同じではないか。
 
TPPの思想とは、人物金を国境を超えて自由に往来させることである。その為に国家の主権を奪い、結果的には国家を解体させることを目標にしているのである。
 
仮にTPPに国境を無くす思想が無くても、国を開く事とは、日本国民の雇用を奪う外国人労働者や、安い外国製品による日本企業駆逐、また外国企業の公共事業参入により折角刷った円を外国企業に持っていかれ、国防産業が衰退するなど、デフレ不況対策と相反するものである。
 
安倍首相は、講演の中で「日本を強くする」と言っているが、TPP加入は国家としての日本の弱体を意味しており、日本を真逆の方向に進まそうとしているのである。
 
また、外国企業の対日直接投資残高を増やすことが日本を強くする事だと思っているようだが、外国企業の投資が減ったのは日本がデフレ不況だったからであって、デフレ不況の処方箋が外国企業の投資を増やすことである訳が無い。第一、外国企業の投資を呼び込まなくても、日本の銀行には、投資先がない預金が有り余っていたのではないか。
 
さらに、医療関連ビジネスの市場の開放や、電力市場の自由化と送配電の分離などは、日本の切り売りをしようとしているとしか思われない。シティにおける講演を聞く限りでは、白人国家に諂い、日本を差し出そうとしているとしか見えない。
 
以前此のブログで安倍普三は吉田茂を超える最高の首相になるかも知れないと書いたことがある。どうも買いかぶったようである。それどころか、日本の歴史を終わらした首相として世界史に残るかも知れない。
 
と言っても、止めるしかない。まさか、菅直人、鳩山由紀夫や小沢一郎などに頼む訳にも行かない。彼等はとどめを刺さなければいけない「後門の狼」なのである。従ってTPP加入を阻止するのは国民しかいない。
 
時間が無い。官邸や自民党本部へのメール・FAX等を含めて、あらゆる手段でTPP反対の意思を伝えて欲しい。
 
          
 
TPPを粉砕するための一つの手は、安倍首相に河野談話破棄させることである。恐らくオバマ政権は安倍政権を非難するだろう。
 
従軍慰安婦が捏造であったことは、かなりの日本国民が知っている。にも関わらず、オバマ政権が真実を無視し、日本を従軍慰安婦に謝罪することを強要しようとしているのを見れば、幾らアメリカに甘い日本人だとしても、オバマ政権が日本の敵であること知ることになるだろう。そしてTPPの意図も知ることになる筈である。
 
それを河野談話を認めたままTPPに加盟した場合は、日本国民は自信を失い、国家解体に拍車がかかることになる。
 
仮にオバマ政権が河野談話破棄を黙殺したとすれば、それはTPPの牙を抜くことになる筈である。国家の尊厳を守る事の重要性を、日本国民が気が付くことでもあるのだから。

TPPは世界統治体制

昔、共産主義は、学者や文化人を筆頭に多くの人が憧れた思想です。ルーズベルトは多くの共産主義者に囲まれ、近衛文麿の周辺にも共産主義者がいたました。恐らく近衛文麿も共産主義にかぶれた人間でしょう。

そして大東亜戦争は共産主義者達の工作によるものだったことが知られています。また共産主義に向かったソ連は崩壊し、共産主義社会は理想社会ではなく、とんでもない社会であることが明らかになりました。

従って現在は共産主義は流行らなくなりましたが、代わりに流行っているのがグローバル主義です。グローバル主義は自由貿易にすると豊かになるという幻想から生まれました。自由貿易は効率化を推し進め生産性を高くなりますから、豊かになる面はあるでしょう。しかし国境無くす概念を持つグローバル主義は、結局は国を崩壊させ、豊かになる処か格差は拡大し、逆に貧困の固定化になる可能性があります。

そしてTPPはグローバル主義の集大成です。多くの政治家・学者・文化人が、かぶれ、熱狂しているところを見ると、TPPは新共産主義と言えるかも知れません。

処がTPPの世界は、『国民が幾ら民主主義的な合意で法律を作ろうと、国民の頭ごなしの別の法が優先するのである。では国家は何をするのか、国民が作った法を国民に守らせるのではなく、別の法を国民に守らせるため存在するのである』と、前の記事『TPP断固阻止』で書いたように、国家の上に別の権力が存在する世界なのです。

現在は、アメリカ以外はGDPの小さい国だけで協定が結ばれているTPPですが、若しそこに日本が加われば、国家の上に存在する別の権力は、人々が退治できない化け物に生まれ変わる筈です。TPPは得体の知れない者による世界統治体制です。

私の下手な説明より、下の動画を見て下さい。忙しい人の為に字幕を載せました。



【 TPP 】 こんな馬鹿げた世界支配の道具を推進しているのは誰だ!
http://www.youtube.com/watch?


密室で進む米国と環太平洋諸島国の貿易協定草案がリークされました。環太平洋経済連携協定(TPP)です。リークによると米国で営業する外国企業は、重要な規制について国際法廷に持ち込むことができます。その裁定は国内法に優先され、違反には罰則を課すこともできます。交渉担当はオバマ大統領が任命した米国通商代表のカーク氏です。しかしリークされた草案はオバマ氏の選挙公約に反しています。2008年の選挙公約は「環境や食の安全や国民の健康が守れなかったり、外国の投資家を優先する貿易交渉はしない

リークされたTPP草案には、著作権の保護を強化したり、医薬品コストを押し上げる規定もあります。通商代表部は出演を断り、声明を送ってきました。『TPPの投資関連の提案には公益保護のため正当で被差別的な政府規制を妨げるものはない。』市民団体パブリック・シチズンのロリ・ウォラックさんです。リーク文書は同団体のウェブサイトで公開されました。

表向きは『貿易協定』ですが、実質は企業による世界統治です。
加盟国には例外なく規定が適用され、国内法も規制も行政手続きも、TPPに合わせなければなりません。
全26章の内貿易に関連は2章のみ、他はみな企業に多大な特権を与え、各国政府の権限を奪うものです。
私たちのサイトに掲載したTPP投資条項によれば、各国の投資家がTPP条約を盾に米国政府に民事訴訟を起こし国内規制が原因で生じた障害の賠償請求ができるのです。
米国の企業はみな同じ規制を守っているのに、これでは国庫の略奪です。

極秘に進行するTPP交渉には、議会も不満を申し立てています。
約600人の企業顧問はTPP情報にアクセスできるのに、米国の議員はできないのですよね?


こんなひどい内容を、それもリークで知るとは驚きです。
内容がひどいだけでなく、私たちの生存権を奪うツールです。
これは『1%』(の誰か)が私たちの生存権を奪うツールです。
交渉は極秘で行われました。
暴露されるまで2年も水面下で交渉していた。
600人の企業顧問には草案へのアクセス権を与えながら、上院貿易委員会のワイデン委員長はカヤの外です。
TPPを監督する立場なのに、草案にアクセスできない。
たまりかねた委員長が、監督責任のある協定の内容を知る権利があるとする法案を提出したありさまです。
ワイデン氏は情報委員ですよ。
核関連の機密を知る立場なのに、貿易協定という名の『企業の権利章典』は見られない。
じつに見事な「トロイの木馬」です。
通りのいい看板の裏に、表に出せない内容を仕込む製薬大手の特許権を拡大する条項も入手しました。
医薬品価格を急騰させます。
TPP情報の分析や行動への誘いが私たちサイトにあります。
TPPはドラキュラです。でも陽に当たれば退治できるのです。
米国や全ての交渉国で、市民の反対運動が起きています。
企業の権利の世界的な強制なんて私たちは許さない。
民主主義と説明に反します。

米国通商代表部から届いたコメントを読みます。
『TPP交渉経過には高い透明性を確保してきた。議員たちと協力し関係者を毎回の交渉に招き、説明会や個別交渉によって透明性と市民参加を高めてきた。』
これについては?」


透明性と言っても、市民には『映らない鏡』です。
説明会で意見を言うことはできる。
でも公益団体の意見はなにも草案には反映されていない。
環境から消費者労働者まで、公益はなに1つ反映されていない。
国民をまったく無視した過激なまでの強攻策です。
金融制度の安定のため各国が施行する金融規制にすら米国は反対しています。
でも間に合います。
歴史的な視点で見てみましょう。
1990年代のFTAA(米州自由貿易協定)は、2年かけて34カ国が協議し、全草案が各国で公開されました。
TPP交渉は3年目ですが、一行たりとも公開していません。
おまけに締結後4年間は非公開という密約もあった。
秘密をさらに隠すのです。
カーク通商代表に聞きました。
『なぜ公開しないのか。お世辞にも透明といえないWTOさえ草案を公開したのに』と。
彼の答えは『FTAA交渉は、公開したら暗礁に乗り上げた』でした。
それってどういう意味ですか?。
密室でこそこそやる理由は、国会や議会に知られるだけで、危うくなる内容だから?。
しっかり押さえてください。
TPPの狙いは貿易ではなく、セメントのような作用です。
一度固まったらおしまい。全員が同意しないと変更ができません。
リーク草案が示唆するのは、司法の二重構造です。
国民は国内法や司法を使って、権利を護り要求を推し進めますが、企業は別だての司法制度を持ち、利益相反おかまいなしのお抱え弁護士たちが、いんちき国際法廷に加盟国の政府をひきずり出し、勝手に集めた3人の弁護士が、政府に無制限の賠償を命じるのです
規制のおかげで生じた費用を弁済しろとか、不当な扱いを受けたとか言って、国内の企業には同じ規制が一律に適用されているというのに。
NAFTAにも似た制度があり、有害物規制や都市区画法の補償として、3億5千万ドルが企業に支払われた。
こういう悪巧みは明るみに出せば阻止できます。

「交渉に関わっている8カ国の国名は?。交渉方法の問題や参加国が急増する可能性は?

リークが重要な意味を持つのは、これが最後の交渉になる恐れがあるからです。
NAFTA以来、大企業は貿易協定を姑息に使って、規制を押さえ込み、底辺への競争を煽りました。
交渉のたび規制が緩和され、企業の権限は拡大した。
今回がとどめです。
いったん固まれば門戸を開き、広く参加国を募ります。
企業の特権化を保証する、世界的な協定になりかねません。
TPPは強制力のある世界統治体制に発展する恐れがあります。
世界的なオキュパイ運動に対する企業の反撃です。
旧来の悪弊が一層ひどくなる。
さらに交渉のゆくえによっては、既存の国内法が改変され、進歩的な良法が無くなるばかりか、新法の制定さえもできなくなる。
交渉国は米国・豪州・ブルネイ。シンガポール・ニュージーランド・チリ・ペルー・ベトナム・マレーシアも加わります。
NAFTAと同じく企業の海外移転をうながす特権があり、新たな特権も付与されます。
医薬品や種子の独占権が強化され、医薬品価格吊り上げのため、後発医薬品を阻止する案まである。
オバマ政権が医療制度改革法案に入れた医薬品についても、他国が使用する権利を奪おうと密談がされています。
各国の金融規制も緩和させられ、高リスク金融商品も禁止できない。
米国政府が金融制度改革で、規制強化を進めている時にです。
TPPは地方財政にまで干渉します。
全国で搾取労働の撤廃や生活賃金を求める運動が広がる中で、TPPは地域産業の優先を禁止します。
地産地消や国産品愛好は許されないのです。
環境や人権に配慮する商品も、提訴されかねません。
TPPは企業に凄まじい権力を与えます。
密室だから過激になった。
どこの国の人々も、こんなものは御免です。
過激な条項を推進するのは米国政府です。
だから陽の目にさらして分析することが重要です。
何が起きているか人々の知って欲しい。

ダラスで説明会が行われた際、カーク通商代表が演説しましたが、イエスマン市長のなりすましが、(カーク通商代表へ)ニセの授賞式を行いました。次回のTPP交渉は7月4日の週末です。オバマ大統領はどう対処するのでしょう?。サラ・ヘシカ・パーカー邸で資金集めパーティをするうおうですが、金融業界の献金額はロムニー候補に約4千万ドル、オバマ陣営へは480万ドルで、ウォール街もオバマ離れしています。金融業界にはロムニー氏以上に良くしているつもりでしょうけど

オバマ大統領については2通り考えられます。
1つはTPPが密室交渉だったので把握していなかったケース。
だからリークが重要でした。
国民や議会に警告した。
大統領は通商代表部の監督が甘かった。
クリントン時代のNAFTAを通過させた連中が好きにやった。
もう1つは「1%」を喜ばせる協定なのです。
「1%」の夢なのです。
ありったけの金とロイビング力をつぎ込んで、未来永劫に力を振舞うのです。

『パブリック・シチズン』のウォラックさんでした

TPP断固阻止

安倍首相には騙された。NHKを始めとするマスメディアが安倍首相はTPP交渉に参加に意欲的だと報じている。と言う事は、安倍首相が聖域無き関税撤廃を前提にするならTPP交渉に参加しないと言っていたのは、TPPが関税撤廃の例外を認めていたのを、知っていた可能性が高い。

【安倍総裁】11/21 自由民主党政権公約発表会
http://www.youtube.com/watch?v=yXmGq4hx4R0

確かに、オバマがTPPが関税の例外を認めると言っているのだから、TPP交渉に参加するのは公約違反では無いと言うだろう。しかし安倍首相は政権公約発表会で、記者の『聖域無き関税撤廃の前提が無ければ、交渉に前向きなのか』の質問にも対して、『その通り。交渉参加に前向きである』とは言わず、敢えて『前向きとどうかと言うことではなく・・』と言葉を濁したのは何故か。

これについては、以前から東谷暁氏が指摘していたように、TPPは当初から関税撤廃の例外を認めていたのだ。それを知りながら、『聖域無き関税撤廃を前提にするならTPP交渉に参加しない』と言っていたのは、最初からTPP交渉に参加の意思が有ったと思わざる得ない。つまり安倍首相は、TPPに反対する人達を騙したのではないだろうか。

TPPの問題については、以前の記事『自由貿易の幻想=TPPの幻想』『雑誌撃論に見るTPPと女性宮家問題』『TPPは世界の非常識』の中で説明しつくしたと思うが、また繰り返して言う。

『反TPPは集団ヒステリーではないか?』等と言う馬鹿がいるが、このような反対者への誹謗中傷の枕詞をつけるしか無いところに、TPPに利点がないことを示している。

まずTPPは、デフレ脱却のアベノミクスと相反する。貿易自由化により低価格の品物が海外から入って来ることで、国民の生活が楽になると考える人もいると思うが、それは低価格競争(=賃金の低下、人員整理等)となり、デフレ不況を推し進め、折角のアベノミクスの意味がなくなる。

アベノミクスは、円安による輸出促進のみ協調されるが、日本が貿易立国で無くても、デフレ退治には金融緩和と財政出動が必要である。むしろまじめにデフレ退治をするのなら、他国からの影響を避けるため、鎖国に近い形で行うべきであろう。

TPP推進者の錯覚は、貿易を自由化すると豊かになると思っていることである。TPP反対者であっても貿易自由化は良いことだと思っている者は、TPPの誘惑に抗しきれないかも知れない。TPPに反対する者は、まず国は何の為の貿易を行うのか考えるべきある。賛成する者も、同じである。

確かに日本は貿易をしないと生きてはいけない。だからと言って、貿易の前に自由をつけると、もっと良くなると思うのは幻想である。

国家から考えれば、必要な物を必要な分輸入出来、その代金を稼ぐ為輸出できれば、それ以上何が必要なのか。国に取って過度の輸入も過度の輸出も弊害となる場合がある。輸入に関しては国内産業を破壊することや、国際収支の赤字が増えれば国家が破産状態になることは、知られている。

しかし輸出に関しては国家の破産に結びつかないので、輸出が増えれば増えるほど良いと思われがちだが必ずしもそうではない。例えば日韓併合後、朝鮮半島より日本本土の米価格が高いために大量の米が半島から本土に輸出され、半島の人間が飢える事態になったことがある。(逆に本土では米価格暴落により、農民による暴動が発生したのである)

また輸出を行うことは、他国の為に労働資源を奪われることである。武器輸出三原則の見直しにより、オーストラリアへ潜水艦の輸出が決まりそうだと喜んで人もいるが、海上自衛隊の潜水艦の数が余っている訳では無い。また日本が外貨不足をしている訳ではない。

オーストラリアの為に潜水艦を作っても、得るものはオーストラリア・ドルかUSドルである。処が現在は通貨の不美人競争。アベノミクスの成功を見て、各国はより通貨を発行する筈である。それなら、わざわざ他国の通貨を得るために潜水艦を作らなくても、日本が円を刷り、日本の国防の為に潜水艦を作ればよいのである。

輸出が得になるときは余剰生産物が有るときか、他に輸入しなければならない物があり、その代金を稼がなければならないときである。また貿易による効率化は、デフレを加速することが多くの有識者が指摘している通りである。

したがって貿易が、より自由になると利点が出て来ると考えるのは錯覚であり、貿易の頭に自由を付けて、普通の貿易より自由貿易が勝るように言っている人間は、何らかの意図があると思われる。

確かに企業によっては、より一層輸入したい、いくらでも輸出したいと思う企業もあるだろう。しかし、それが国家の損得を無視し、それを無理やり実現させようとするのは、企業の単なるわがままである。

TPPは国家間の垣根を無くせば貿易が自由になり、人々は豊かになると言う思想に基づいている。それが錯覚であり企業の言い分であっても、結局の処TPPは国家を無くす思想である。そして国家を無くすと言えば、共産主義思想を思い出す。嘗て共産主義革命を夢見た、民主党の仙石由人や菅直人がTPP推進に回ったのは、TPPに共産主義と同じ理念を見たからだろう。

しかしTPPは共産主義よりタチが悪い。共産主義は人間平等を理想としていた。処がTPPは国境を無くすが国家は無くさない。国家は無くさないが、国の伝統や文化に基づく商習慣や、民主主義により決まった法律さえ、何処から沸いた分からない合理的とか科学的とかの言い分に、切り捨てられるのである。

アメリカのごり押しで大店舗法がどうなったか、遺伝子組み換え食品や食品添加物表示が、これからどうなるのか、想像すれば分かりそうである。

これらの事を考えれば、国民が幾ら民主主義的な合意で法律を作ろうと、国民の頭ごなしの別の法が優先するのである。では国家は何をするのか、国民が作った法を国民に守らせるのではなく、別の法を国民に守らせるため存在するのである。

そしてその別の法は誰が作るのか。勿論日本国民では無い。安部首相でも無い。世界市民でも無い。だからTPPは共産主義よりタチが悪いと言っているのである。誰か安部首相を止めてくれ~。



新しい経済学を知ろうとしたんですが、全編生々しい日銀批判でした。さすが浜田先生はエルピーダ破綻やソニー、パナソニック、シャープの衰退を心配しています。でもそれはデフレ問題というより、円高問題でしょう。デフレの解決が輸出の増進では、なんだかな~です。

勿論輸出競争に負けてはいけません。しかしデフレ脱却の処方箋は、海外交易より国内交易でしょう。海外交易では、交易により効率化が得られるとデフレ圧力になりますが、国内交易による効率化ではさらなる公共投資が可能となり、より経済規模の拡大が見込めます。

それがTPPなどに引っかかると、震災復興事業やメタンハイドレード等の海洋開発・資源開発などは海外企業に持っていかれ、先端技術は流出し防衛産業は壊滅するでしょう。労働環境だって海外の労働者と低賃金競争になるかも知れません。
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筑波大の古田博司教授が、筑波大の経済学と法学の大学院が二年後に無くなると言っていた。現在の(統計学と舌三寸だけの)経済学は切られ、経済学は数学中心の工学部の学問になるだろうと言っているのである。

工学と言うからには、実験と結果をつき合わせて、自動制御理論を駆使したものになると思われるが、果たして現実社会の中で理想に近い形の実験が出来、制御理論を確立出来るかどうかである。経済が、人間と言う複雑系の集団の動きと考えると、かなり難しいと言わざる得ない。

それがTPPなどに参加してしまうと、そこはさらに混沌の世界。一国ならデフレもインフレも解決できるところを、ワケワカメになってしまうのが落ちである。

分かりますか?。一国の経済さえ分からないくせに、経済規模を大きく(=グローバル化に=TPPに加盟)すると、何でも解決するなんて言うんじゃねぇ。


TPPは世界の非常識

2012/05/24の産経のコラム欄に評論家屋山太郎氏の書いた記事が有った。タイトルがトンデモの 『 コメ例外扱いは世界の非常識 』 だったので、批判記事を書こうとしたら、チャンネル桜の水島聡氏もトンデモだと思ったらしく、番組で批判をしていた。先を越されたので、その補足をしてみたい。

屋山氏の言いたい事は、例によってTPPへのお誘いであるが、その理由として彼は、日本の戦後の繁栄は、GATTが有ったからだと言う。

まるで、外国のおこぼれを頂戴して生きてきたのだから、これからも外国の言うことを聞けとでも言ってるようである。確かに自由貿易によって、日本は自国に産出しない資源等を買う事が出来た。ついでに資産も増やすことが出来た。

しかし、日本がGATTの恩恵を受けたからと言って、第一、GATTもTPPも、貿易で生まれる歪、即ち失業や貧富の拡大、気候変動による食料不足等に、責任を取ってくれる機関では無い。それらの問題を解決するのは、個々の国の政府の責任である。従って国により、貿易を制限する場合が有るのも当たり前である。

それより、そもそも大東亜戦争は、国の血液とでも言える石油の輸入が出来なくなったから、やむなく開戦したので有って、自由貿易が出来なくなったから開戦したのでは無い。GATTなど無くても、石油さえ輸入できれば、日本が発展したのは間違いない事であった。

戦前の日本は、科学技術においても欧米に遅れており、多くの機材が欧米の輸入に頼っていた事は事実である。しかし日米間の緊張により、アメリカの禁輸措置が取られるようになり、輸入出来なくなった時、どうだったか。むしろ外国製品が入って来なかった為に、日本国内で作るようになり、日本の技術力は高まったのである。

今も航空技術に関しては日米間に相当な開きがあるが、日米間の航空技術の差が最も小さくなったのは、アメリカから先進的技術が途絶えた、開戦前後であったのも事実である。従って、自由貿易で無いと繁栄出来ないとの考えは間違いである。必要な資源さえ手に入れることが出来れば、放っておいても日本は繁栄する国である。

屋山氏はTPPを薦めるため、世界貿易から孤立すると日本は繁栄出来なくなると脅すが、それは、自由貿易と戦争目的であった石油禁輸等を天秤に掛けさせるような極論である。極論を言うなら、自由貿易でも常に禁輸されることも念頭に置けと言うべきであろう。それならTPP加入は、危険で有るの結論になる筈である。

そして問題は、屋山氏のコメに対する見方である。まず、エネルギー・食料は、国の根幹である。当然、食料不足等の問題解決の責任は、国毎にある政府である。実際、日本はエネルギー・食料不足に苦労した。

例えば終戦直後、日本は厳しい食糧難に見舞われた。供出された備蓄米は悉く輸送船と共に太平洋の藻屑となり、加えて外地から復員してきた日本人の数が、戦争で死んだ人間より多かったからである。

政府はコメの増産を図った。胸まで漬かる泥田や棚田にも、より増産が図られた。一反当たり何表取れるかの競争をしたのも、この時代である。勿論、食料を輸入したであろう。しかし、当時の日本には金も無かった。

そして、池田勇人首相の「貧乏人は麦を食え」の時代を経て、全ての日本人がコメを食べられるようになった。農民達の努力の賜物である。食料が自給出来るようになり、輸出も好調になり、日本は世界有数の国になった。日本は自信を持った。松村謙三氏が支那の要人に、食料自給の重要性を説いたのも此の頃である。

処が現在、日本の食糧自給率は40%程度(注1)。屋山氏は「大規模集約化で国際競争力をつけろ」と言う。目的は食糧自給率が低いからでは無い。農協を槍玉に上げてに色々言っているが、ようするに日本の農産物は高いと言っているのだ。

日本の耕地面積が小さいのだから、高いのは当たり前である。しかし面積当たりであれば、おそらく日本の農業生産高は世界一・二を争う筈である。それが大規模集約化にすると、棚田のような小さな耕地は放棄され、日本の食糧自給率はさらに下がることは目に見えている。

当然、失業者が増える。TPPに加入する事とは、大規模集約化に成功した一部の農家だけが生き残り、失業者が増え、食糧自給率を下げることのようである。一体、何の為に。

多分TPP推進者は、高く付く日本の農業など止めて、別の事で稼げばよいと言いたいのであろう。だが先に述べたように、エネルギー、食料は、国の根幹である。もしそれ等が、安定して手に入れることが出来るのなら、国も必要が無くなる筈である。

だがやはり現実は違う。ABCD法網の石油禁輸も、オイルショックも、アメリカが行った大豆の禁輸も、昨日の今日の出来事である。イランに対する制裁を見ても、貿易によって他国をコントロールしようとする手法は、昔も今も変らない。

人によっては、食料の禁輸を行うと禁輸する国も困るから、今後そのような問題は起きない筈と言う人もいる。しかし、それこそ喉元過ぎれば熱さを忘れると言うものである。又、終戦直後の食料難のときを忘れ、日本のコメは高いと文句付けている人間は、天に唾しているようなものである。

TPPか否かの議論は、グローバリズムと国家のどちらを選択するかの議論に行き着く。屋山太郎氏は、人権救済法を反対する等、保守の評論家の筈である。しかしこの 『 コメ例外扱いは世界の非常識 』 やTPP推進の姿勢を見ると、国家の概念が希薄なのでないだろうか。GHQ憲法の 『 正義と秩序を基調とする国際平和 』 の精神同様、他国依存精神そのもののような気がする。

また屋山氏のもう一つの錯誤は、貿易を行うと国が繁栄すると思っている事である。現在、日本の対外資産は世界一である。全て貿易で稼いだ金である。だがそれにより、日本人がそれに見合う豊かさを手に入れたのであろうか。

実は貿易で貯まった金は、狐狸の類が支払った木の葉の金ではなかったのか。木の葉の金でも、石油資源等の必要な物が買えるのは良いだろう。資源を買うために、輸出競争に勝たなければならないのも確かである。だが、金が貯まるのは買うものがないからであり、そして貯まった金は、何れ木の葉に戻る。

貿易至上主義者は、木の葉の金を溜め込む為に働く事より、自国の為に働くことの方が、豊かになる事が分かっていないようである。TPP論議で話されているのは金・金・金である。しかしそれは木の葉で作った金である。現物と国民の豊かさを語らないTPPは、世界の非常識である。

注1:カロリーベースである。生産額ベースでは66%の数字もあるが、外国産が安いので当たり前である。その他、コンビニ等で捨てているのを計算に入れれば、自給率60%程度は可能との試算もある。

 

秋の田の刈り穂の庵の苫をあらみ我が衣手は露にぬれつつ(季節違いだが)

前にも書きましたが、私の叔母は去年農業を止めました。3代にわたり、女性だけで農業をしていたのです。収入は少なく、やってきたのは執念だといいます。それでも、たまに送ってくれる米は、驚くほど美味しく、おかずがいらない程でした。

こういう農家が全国で一杯あるでしょう。果たして彼等が農業を止め、他の職業につかせたり、生活保護を与えたりする事が、日本のためになるのでしょうか。


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