http://kojoryoshu83.edoblog.net/%E6%9C%AA%E9%81%B8%E6%8A%9E/%E9%8A%83%E3%80%81%E7%97%85%E5%8E%9F%E8%8F%8C%E3%80%81%E9%89%84%E3%80%81%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%91%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80銃、病原菌、鉄、プロパガンダ
ダイアモンド『銃、病原菌、鉄』2005年版追加章に日本が出てきたようだ。だが言っていることはトンデモ、突込みどころが多すぎて何処を突込めば良いか分らない程である。
ダイアモンド『銃、病原菌、鉄』2005年版追加章
ジャレド・ダイアモンド著、山形浩生訳
http://cruel.org/diamond/whoarethejapanese.html
例えば、
>四つの対立する理論が提唱されており、それぞれ一部の国では人気があるが、他の国では不人気だ。日本でいちばん人気があるのは、日本は紀元前二万年以上前に日本を支配していた、古代氷河期人類からゆっくり進化してきた、というものだ。日本でこれまた広まっている理論は、日本人は中央アジアの遊牧騎馬民族の末裔で、かれらは4世紀に朝鮮半島経由で日本を制圧しにきたが、絶対に朝鮮民族ではなかった、というものだ。多くの西側考古学者と韓国人が気に入っている理論で、日本の一部では不人気なのが、日本は紀元前400年頃に水田稲作とともにやってきた、朝鮮からの移民の子孫だ、という理論だ。そして最後に、これまでの理論に出てきた各種の人々が混合して、現代の日本人を形成したという理論がある。』
気に入らない論があるなら、具体的なデータを添えて論駁すればよいのの、論文にこんな言葉を付け加えることを見れば、学者と言うよりプロパガンダ工作員ではないのか。
日本人=騎馬民族説は当初から馬鹿にされているが。日本では論理が支持されるか否かは理論に整合性があるか無いであって、人気はその結果だろう。
>『日本の占領軍は朝鮮文化を根絶して、学校で朝鮮語のかわりに日本語を教えようとした。朝鮮人一家は日本で何世代も暮らしても、いまだになかなか日本国籍を取得できない』
まさに韓国人の言葉の受け入りそのままである。学校で日本語だけの教育が行われたのは戦時下の時だけである。それ以前は朝鮮語が教えられていたし、ハングルの教科書もある。そもそも現代中国でさえ日本語が無ければ近代用語による教育が出来ないのに、日本語を教えることが文化を根絶すると考える方が異常である。インディアンに英語教育をすると文化を根絶をすることになるのか?。また『なかなか日本国籍を取得できない』については、日本国籍取得しないのは彼ら自身が望んでいないからであり、日本国籍を取得するのは容易すぎるぐらいである。
>『いまや日本人は、無理もないことだが、すさまじい西洋の文化的影響に直面して、伝統を維持できるかどうか正当にも懸念している。そして、自分たちの言語や文化が実に独特であり、その発達にも独特の複雑な発展プロセスが必要で、世界の他のところとはちがうのだと信じたがっている。日本語が他のどこかの言語と類縁関係にあると認めるのは、文化的アイデンティティの敗北を認めることのように思えるのだ』
と言うより、日本の独自性を認める事が、彼にとって敗北を認めることのように思えれるのだが。
>『日本の高い降水量は、その森林が伐採後もすぐに再生するということだ。』
日本の森林で人の手が入っていないのは白神山地程度である。殆どの森林は、間伐、下草刈、植林をしているから維持出来ているのであって、森林が多いのは降水量のせいだけではない。朝鮮半島では火田民が山を焼き払い、更に根っこまで掘って炭にするなどで禿山にしたが、日本は統治時代に朝鮮に5億9千万本を植林したのである。これも古来からの日本文化の一端である。
>『日本人は北海道のアイヌを、アメリカ白人がアメリカ先住民を扱ったのと同じやり方で扱うようになった。アイヌは制圧され、居留地に押し込められ、交易所で働くことを強制され、日本農民の望む土地からは追い立てられ、叛乱を起こせば殺された。』
そう世界に宣伝したいようだが、松前藩がアイヌにあこぎな扱いをしたことたや、コシャマインの乱が起きたことは事実だが、アメリカ人が行ったインデイアン虐殺(1000万人の人口が50万人とか)と同じことを日本人がした事実はない。
この論文に対して異論を言うと「お前は歴史修正主義者だと」言いわれそうである。アメリカ合衆国の進化生物学者、生理学者、生物地理学者、ノンフィクション作家の肩書きがあるが、論文には人間のDNAのデータが出て来ない。勿論米のDNAの話も出てこない。朝鮮からの大量の移民流入とか稲作の伝播の話は、全て彼の脳内に妄想のようである。まるで何処かの民族が乗り移ったみたいにである。
それに対して例えば男性のDNAの例で言えば、ハプログループD1b(旧D2)は日本人では39%の大集団が形成されているのに対して韓国人に殆ど見られない、次の日本人韓国人共通なO1b2(旧O2b)は日本人30%、韓国人36%であるが、詳しく見ると日本人のO1b2(旧O2b)はO2b1が25%,O2b*が8%に対して、韓国人はO2b1が12%、O2b*17%、北朝鮮に至ってはO2b10%、O2b*36%と、明らかに日本人と朝鮮人は別者である。
つまりD1b(旧D2)は縄文当初から、O1b2(旧O2b)はその後大陸から直接日本列島と朝鮮半島に別々に渡って来たと考えるしかない。また天皇を先祖に持つ複数の日本人のDNAも何れもD1b(旧D2)タイプだったことを見れば、天皇家も縄文系の可能性が高いのである。それが現在の日本人の常識になりつつあるのである。
彼は進化生物学者のくせに外見から日本人は朝鮮人に近いと考えているが、外見からはDタイプの日本人もOタイプの日本人もCタイプの日本人も判別出来ないことを理解していないようである。
又米に関しても近年の研究では日本の米の遺伝子の2つしかなく、そのうち1つは朝鮮半島には無く、もう一つの遺伝子も朝鮮半島の遺伝子は満州米の交配種であることは、朝鮮半島の米は日本から伝わった可能性が高いことが指摘されるようになってきた。さらに炭素年代測定では水稲栽培は日本が3200年程遡れるのに対し、朝鮮半島では1500年ぐらいしか遡れないことが分ってきているのだ。
おそらくこの論文は日本人以外の世界の人間に向けてのプロパガンダだろう。わざわざ『イルカは今日の日本とまったく同じように、浅瀬に追い込まれて殴り殺されたり槍で殺されたりした』を付け加えたりしているのは、日本のイメージを下げるための宣伝だろうし、それが日本人以外の人向けと思われるのは、日本人は何処から来たのかの問いについては、日本人の方がはるかに掘り下げた研究をしており、アマチュアレベルの日本人であっても、彼の論文はトンデモ論と見えてしまうからである。
>『農業が拡大したのは主に農民が狩猟民より急速に増えたせいだ。そしてもっと強力な技術を発明し、狩猟民を殺したり、農業に適した土地すべてから狩猟民を追い払ったりしたのだ。現代では、ヨーロッパの農民が北アメリカ東部のインディアン狩猟民を駆逐し、アボリジナルのオーストラリア人を駆逐し、南アフリカのサン人を駆逐した。』
ここら辺の考え方が、彼が日本の独自性を考えられない理由だろう。農民だからインディアンやアボリジニを駆逐した訳ではない。農民と言っても彼らの先祖は元は遊牧民である。彼らは豊かな地を見つけるや、そこを自分の土地とした。家畜を扱いなれ、人さえ家畜のように扱うことを発明した。欧米人、支那人、アラブ人、皆同じである。唯一違うのは日本人だった。
縄文人は狩猟・採取と言っても漁労・採取が主である。従って定住民なのである。分業が盛んになり、物作りにもこだわるようになった。そして家畜も扱いなれていない。当然奴隷も発明していないし、奴隷と無縁のまま1万年以上続いていた。そして日本人は縄文人の直系である。この奴隷と無縁こそが日本文化の一大特徴なのだ。
この論文を見る限り、どうもジャレド・ダイアモンド君にとって、それが悔しくてしょうがないようである。だから日本人を朝鮮半島から渡って来た農民の子孫で、ヨーロッパ人がインディアンやアボリジニを駆逐したように、日本人もアイヌ人を駆逐したのだと言いたいのである。原爆犠牲者数が20万人なので、南京虐殺が30万人だとこだわる理由と同じである。
、ボストンでベッサラビア出身のユダヤ系の両親の間に生まれる。東欧ユダヤ系アメリカ人。ふーん、そうですか。
本のタイトルが『銃、病原菌、鉄』?。重要な『プロパガンダ』が抜けているのでやり直し。