http://kojoryoshu83.edoblog.net/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%92%E9%99%A5%E3%82%8C%E3%82%8B%E9%99%B0%E8%AC%80/%E9%99%B0%E8%AC%80%E8%AB%96陰謀論
チャンネル桜の動画で、青山繁晴氏が9.11陰謀論について話していたが、今日の記事は9.11陰謀では無く、地震兵器の話である。それは、9.11陰謀論を言っている人間は、地震兵器もアメリカ(ユダヤ金融資本)による攻撃だと言っている人間と同じだからである。
東北地方太平洋沖地震が地震兵器によるものである事は100%有り得ない。しかし地震兵器を言う者が多い。従って、興味は『誰が何のために地震兵器陰謀説を広げるのか』に移る。地震兵器陰謀説を述べる前に地震についての基礎知識を述べる。
東北地方太平洋沖地震は、400~500kmの断層が最大50m程動いた事が、その後の解析で分かっている。東北地方太平洋沖地震は海溝型地震と呼ばれるタイプの巨大地震であった。
海溝型地震はプレート境界で起きる地震で、破壊断層の長さが100Km以上と長く、地震の規模を示すマグネチュードも大きいのが特徴である。破壊断層と言っても、毎回同じ場所で起きるのでプレート同士が断層面で滑っていると思われる。
地震が起きる場所は、常に日本列島のある北米プレートの下に太平洋プレートが潜り込んでいる所である。太平洋プレートが抵抗無く北米プレートの下に潜り込めれば地震は起きないだろう。実際プレート同士が滑りながら地震を起こさない場所は存在する。
例えば、サンアンドレアス断層は横ずれ断層だが陸上にある為、断層があるカリフォルニア州のホリスターでは、断層が地表に見えている。そこでは断層が年間数センチ滑って行くのを観察できる。このゆっくりとしたすべりを継続する断層はクリープ断層といい、ここで地震が発生しない。
しかし、近くのすべり量が少ない所では大地震が発生する。北米プレートと太平洋プレートのぶつかるところでも、固着しているのではないかと思われるすべり量が少ない所がある。その固着域はアスペリティーと呼ばれる。大地震は、その固着域が応力に耐え切れなくなり固着できなくなると発生すると思われている。
現在アスペリティーがある場所は大体何処ら辺にあるか分かっている。従って、東北地方太平洋沖地震は、位置も何時頃起きるかも、かなり前から想定されていた。想定外だったのは、断層の割れが茨城県沖まで達するとは予想していなかった事である。又、前々日のM7.3の地震や前日のM6.8の地震は想定していた地震より規模は小さかったが、想定していた位置と次期が同じであったため、惑わされる事になった。
従って東北地方太平洋沖地震は、地震兵器等の手を借りなくても、起こるべくして起きた地震である。東北地方太平洋沖地震のみならず、最近起きた地震で地震兵器等の爆発で起きた地震は一つも無い。そう言い切れるのは、日本の地震観測の量と質である。日本程高密度に地震観測を行っている国は無い。そのような処で、爆発物を使用した地震を発生させれば、一変にばれてしまうだろう。
自然地震は、地中の岩盤に加わる応力によって発生する。応力のかかり方により、制断層、逆断層、横ずれ断層と地震の種類が違うが、何れも岩盤をせん断する形になる。
物質をせん断する時の波の発生は、爆発による発生する波と出方が異なる。それは爆発による発生する初動の波が四方八方に全て押し波となるのに対して、自然地震の波は、断層面と直交するもう一つの面に区切られた2対づつの押し波と引き波の計4つの波が現れることである。
このよう図を見たことが有るであろうか。このスイカの切り口のように見える、2つの切り口のどちらかが断層面である。その切りわけられた4つの表面に押し波と引き波が交互に現れるのが自然地震の特徴である。当然この特徴により観測点毎、地震の初動波の形状が違う。
黄色と白で色分けられた丸い玉は、地震波の押し引きの方向を示す。
丸い粒粒、黒い模様は過去に起きた地震の震源の跡を示す。
又、自然地震はP波とS波が発生する。P波は進行方向に伸び縮みしばら進むが、S波はP波の進行方向と直交する形波が動く。又S波はP波より伝達速度が遅い性質がある。しかし地中の爆発による人工地震の場合、S波が出ない。出ないというより打ち消しあって見えなくなると言った方が良いかも知れない。
そこで、もし全ての観測点で押し波ばかりとか、S波が無い地震波が観測されたら、全世界の地震愛好家?は、変った地震として大喜びで発表するだろう。勿論、東北地方太平洋沖地震は自然地震である。巨大地震ゆえ初動の波形は見難いが、どの観測点も押し波だったと言うこともないし、P波S波も有る。
地震は、何処にでも起きる訳では無い。岩盤に応力が加わわっている場所で且つ、固体の岩盤と破壊が起きたとき、変形を吸収してくれる所が混在している所でなければ、地震は発生しない。満員電車では急ブレーキやカーブでも結構人が立っていられるが、立っている人がスカスカの状態では、よろける人が出てしまうのと同じ理屈である。
高温高圧の地中で変形を吸収してくれると言うのは、周りがある程度メルトしているか軟化している事を意味する。近年、水を含んだ岩石は融点が下がることが分かって来た。凡そ10kmの深さから、太平洋の水を含んだ岩盤は地中の高温でメルトしかかる。従って、プレート境界地震の発生するには、最低でも5km以上深くないと発生しない筈である。
地震兵器が荒唐無稽なのは、正確に何処にあるか分からないアスペリィが有ると思える場所に、長期期間5~10kmも海底を掘削して核爆弾を仕掛けることである。下の図を見て戴きたい。30日間日本列島で発生した地震である。日本列島では年がら年中このように地震発生しているが、大地震に結びついている訳ではない。
2012/01/19前の30日間に観測された地震
マグネチュード2の微小地震でも小学校の校庭程の断層面がある。
地中で核爆発させても、大地震が起きる訳でもないし、地中で爆発が起きればすぐ見かってしまう。誰がそんな馬鹿なことをするのだろうか。高エネルギーの素粒子と言う人も言う。確かに高エネルギーの宇宙線は地中深く入る場合もある。宇宙線が火山爆発に繋がる発泡現象に関連していると言う人もいる。それでも人類が持つ最大の高エネルギー加速器を使っても、宇宙線のエネルギーとは比較にならない。
また、巨大な高エネルギー加速器を宇宙に建設する技術も現在何処の国も持っていない。ようするに、どう考えても地震兵器などありえない話である。
それでも何度否定されても地震兵器の陰謀を言う人がいる。東北地方太平洋沖地震はアメリカ(ユダヤ金融資本)による攻撃だと言う人がいる。確かに地震兵器は荒唐無稽である。しかし陰謀論というと、あからさまに否定する人がいるが、青山繁晴氏が言うように陰謀は過去も有ったし現在も存在する。又ユダヤ人による日本を陥れようとする陰謀も存在する。(
続く)
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