http://kojoryoshu83.edoblog.net/%E6%A0%B8%E6%AD%A6%E8%A3%85/%E6%A0%B8%E6%AD%A6%E8%A3%85%E3%81%AE%E9%81%93核武装の道
『敵は誰か?3』で、「日本が頼るべきは核武装の道しか無い」と結論付けたのは、アーミテージ一行が言った、「従軍慰安婦問題に触れないでほしい」、「河野談話の見直し論が高まれば、日米関係にも悪影響を与えかねない」、「安倍晋三首相の靖国神社参拝を行えば、これまで積み上げたものを全て壊すインパクトがある」などの発言が、国際社会でどのように作用するかを考えた結果である。
多分、中国・南北朝鮮は、アーミテージ一達の発言を興味深く聞いた筈である。それは、若し日本の首相の靖国参拝をしたり、河野談話の見直し行った場合は、アメリカは日本の側に立たない事を意味すると思った筈である。
つまり日本の首相が靖国参拝をしたとか河野の見直しをしたら、日本を攻撃しても良いとのシグナルと受け取ったと思われる。恐らく、それがアーミテージ一の意図で有った筈である。
具体的に言うと、アーミテージ一達が画策しているのは、日中戦の誘導であり、それによるアメリカ軍需産業の利益享受、仲裁と言う名の極東での警察権獲得、日本の再支配等である。これは『敵は誰か?3』の添付図にアーミテージと共に示した、ジョセフ・ナイの「日本と中国との戦争を誘導せよ」の考えと合致する。
では、ジョセフ・ナイの描く日中戦はどのようなシナリオで推移するであろか。彼の書いた『対日超党派報告書』には、
・中国軍が、米・日軍の補給基地である日本の米軍基地、自衛隊基地を本土攻撃する。本土を攻撃された日本人は逆上し、本格的な日中戦争が開始される。
・米軍は戦争が進行するに従い、徐々に戦争から手を引き、日本の自衛隊と中国軍との戦争が中心となるように誘導する。
・、日中戦争が激化したところで米国が和平交渉に介入し、東シナ海、日本海でのPKO(平和維持活動)を米軍が中心となって行う。
と推定している。日本軍と中国軍に殺し合いを行わせ、漁夫の利を得ようと考えているのである。
日中戦の大体の推移は大体はジョセフ・ナイの読み通りであるが、アーミテージ一の発言により多少変わってきた。それは中国が日本に戦争をしかける理由が、アメリカお墨付きの日本の制裁になるからである。従って中国軍の自衛隊基地攻撃が有っても、米軍基地攻撃は無い筈である。
現在、通常戦力でアメリカに敵う国は無い。仮に核戦争になったとしても、中国原潜のJL-2は完成していない。JL-1はアメリカ本土まで近づかないと届かない。ICBM攻撃ならアメリカは重大な損害を被るかも知れないが、そのお返しは凄まじい。アメリカの核戦力は全支那人を2回殺す程有るのである。
当然中国はそれを知っている。従って中国軍が米軍基地を攻撃する事は無い。核保有国同士は戦わないのである。従ってアーミテージ一は「日本だけを叩け」とシグナルを送ったのである。
日中戦争は、小競り合いから自衛隊艦船へのミサイル攻撃、基地へのミサイル攻撃に発展すると思われる。ミサイル攻撃は中国軍の得意とする処であり、反撃能力の無い日本の対しては有効すぎるものである。
中国軍の日本に対しての主力ミサイルは、MRBM(準中距離弾道ミサイル)のDF-21である。DF-21の射程は凡そ1750km、粗日本全土が射程距離内である。新型のDF-21Cのペイロードは2000kg。クラスター弾頭であれば、一発だけでも自衛隊基地の航空機は壊滅的な損害を受けることになる。
パトリオットなどで落とされるミサイルが有るかも知れないが、それが同時多数飛んでくればお手上げである。イージス艦のSM-3も一つのミサイルしか対応が出来ない。それ以前に、まず対空ミサイルの数も足りない。
ミサイル迎撃戦なら米軍も参加するだろう。それでも結果は同じである。中国軍は、事前の警告付きで防衛産業の工場や、造船所も標的にすると思われる。一般人に被害が出ても「我々は警告した。人的被害が出たのは日本政府の責任である」と言う筈である。このように中国軍は航空機などの損失無しに、核も使わずに日本の戦力を壊滅状態にすることが出来るのである。
そして、頃合を見てアメリカが仲裁に、否、双方をたしなめる格好で出て来る筈である。中国に対してやりすぎたことたしなめ、日本に対しては、戦争の要因を作った歴史認識をたしなめる筈である。日本は多大な損害を受けながら危険な状況は変わらず、GHQ体制へ又逆戻りである。
しかし若し日本核武装をしていたらどうであろうか。中国がこのような冒険をする事は絶対無い。従って以上説明したなような結末を日本が避けるには、核武装するしかないのである。処が日本では、核武装論者でも遠い将来や、理想論として語られている。然しながら日本の核武装の必要性は、差し迫った問題なのである。今直ぐ核武装の道に走らなければ間に合わない恐れがある。
では急ぐには、どのような方法が有るのだろう。田母神俊雄氏は、アメリカに「核シェアリングを打診したらどうであろうか」と言っている。勿論アメリカの回答は「ノー」の筈である。アメリカが核武装をさせたくない国の筆頭は日本なのである。当然田母神氏は、アメリカが「ノー」言うだろう事を心得ての発言と思われる。
アメリカの反応は見る必要があるが、「核シェアリング」なんかより、ロシア、インドから核技術の供与の方が可能性が有るだろう。と言ってもロシアは信用出来る国では無い。領土を不法占拠している敵国である。可能性としてはインドである。日本はインドに提供できる軍事技術は一杯ある。必要なのはDVD一枚程度の情報だけである。恐らくインドの中には日本に理解を示す人間は一杯いると思われる。
しかし、これも失敗になる可能性がある。インドの中に日本に理解を示す人間が一杯いても、スパイも一杯いるのである。そしてアメリカの邪魔である。やはり核武装は独自開発しかない。核爆弾なら一ヶ月程度で出来るの話もある。インドなどと打診しながら独自開発をするべきである。
核爆弾が出来たとしても移動手段が無ければ意味が無い。従って核爆弾より優先するのは、弾道ミサイルである。幸い固体ロケットならICBM以上の能力があるM-Vやイプシロンの実績がある。この技術を転用すれば大型弾道ミサイルの試作に一年弱、開発から一年半程度で増加試作型の配備が可能であろう。
パトリオットもSM-3も国防にあまり役に立たなかったのは、国防に報復力の概念が抜けているからである。まず急がなければならないのは、弾道ミサイルの開発と配備である大型の弾道ミサイルがあれば、有る程度の報復力は期待できるが、中国は冒険を犯すかも知れない。
それでも弾道ミサイルさえ出来ていれば、それを核弾頭ミサイルにするのはあっという間である。核弾頭なら、最終的には2000発程度の弾頭、最低でも1000発程度の弾頭が必要と思われる。1000発と言ってもたいした数ではない。トライデントⅡは1基最大14発の弾頭が積める。ミサイル数としては凡そ72本。オハイオ級の原潜なら、たった3隻分である。
原潜が無くても、地下サイロ式も有効である。硫黄島のような本土と離れた処であれば、本土への攻撃も分散できるし、先に硫黄島が攻撃された場合は敵の意図が分かる事になる。
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上の図は、中国のミサイル配備状況である。円はミサイル機種毎の射程であるが、地下サイロ形式のDF-5(ICBM)以外、移動式なので必ずこの範囲だけが射程では無い。目安である。巡航ミサイルのDH-10は射程1500kmの程度あるので、配置によっては粗日本全土が射程範囲になるだろう。
大東亜戦争はアメリカの策謀に日本に乗ったことで始まった。日本が真珠湾攻撃に走ったのは、資源を海外に頼る自立国家として欠陥を持っていた事と、防衛に徹しきれない弱い軍事力だったからである。
そしてその失敗から何も学ばず、また策謀に乗せられようとしている。核武装さえしておけば策謀に乗せられる必要もなく、日本に対して軍事行動の冒険を犯す国が無くなるのにも関わらずである。
もう一度、アーミテージ一達が言った事を読んで欲しい。日米安保も国防に役に立たない。TPPなんか尚更である。必要なのは核武装である。
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